北海道新聞 旭川支社 + ななかまど

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北極星

道北各界で活躍する皆さんによるエッセーコーナーです。 2020年3月までの記事はこちら


有村幸盛(旭川・文化団体事務局長)*アートを通した居場所づくり

 私が働いている「まちなかぶんか小屋」は旭川買物公園の北端の閉店した商店を改装した50平方メートル強の小さな施設です。8年前に開設され、音楽や演劇、映画、落語などの公演や歴史講座などが行われる文化交流スペースです。

 一昨年、新型コロナウイルス感染拡大が始まってから半年くらいは、ほとんどの企画を中止せざるを得ませんでした。その後、感染予防対策をしながら、古書販売や衣料品バザーなどを行って、何とか運営を維持しました。昨年は、会員や市民の募金により高機能換気設備やエアコンを設置し、秋から人数制限しながら映画会や落語会ができるようになり、利用者も増えてきました。

 また、あるイラストレーターを中心に昨年5月から「ペイントバー」を始めました。月2回開催。予約不要で参加費は無料です。毛糸などの素材を用意し、参加者に自由に作品を作ってもらいます。小学生から大人まで多世代の人が交流しながら楽しんでいます。この企画を継続する中で、ぶんか小屋の運営に積極的に参加する人たちが増えて、新しい企画を考える人も生まれてきました。アートづくりが、人と人のつながりを豊かにし、新しい居場所づくりや文化芸術に関心を持つ人を育てることにつながってきているような気がします。

 

(2022年3月21日掲載)

 

 

 

※掲載情報は、取材当時のものです。閲覧時点で情報が異なる場合がありますので、予めご了承ください。


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