動物と、人と、しあわせと。
獣医師、動物看護師、しつけインストラクター、動物病院従事者が中心となって、専門的視点に立って、人と動物の愛を護る活動をするNPO手と手の森と旭川市動物愛護センター『あにまある』からお届けする動物と人とのお話です。
Vol.75 犬のしつけには“ある程度妥協すること”も必要です
「いたずらをしない」
「問題行動を起こさない」
「飼い主に忠実なお利口な犬」
…理想ですね。
ですが、これはなかなかハードルが高いのが現実です。
犬のしつけにおいて飼い主さんがハイレベルな理想を追い求めてがんばってもうまくいくとは限りません。
しつけがうまくいかないと、飼い主さんは自分ががんばっている分イライラしてストレスを感じてしまうかもしれません。
きっと理想を求められる犬の方もストレスを感じているでしょう。
お互いにストレスを感じていては、愛犬との毎日が味気ないものになってしまいます。
だとしたら、しつけにおいて妥協点を見つけ、『家庭犬として合格な犬』を目指すのはどうでしょうか? そうすることでお互い楽になりますし、満足度も高くなるはずです。
家庭犬は『人間社会のルールとマナーを守れて、周りに迷惑をかけずに人間と共生できること』が基本になります。
この基本をクリアできていれば家庭犬として合格なのです。
ですから、しつけにおいてどうしても覚えられないことや直らないことについては、それが周りの迷惑とならず家庭犬として問題ないレベルならば、飼い主さんがある程度妥協することも必要だと考えてみてはどうでしょうか?
とはいえ、問題行動についての妥協は避けましょう。
ネットや本などの情報で行うことはダメではありませんが、もしかしたら根本的な問題点を見逃してしまう可能性があります。
問題行動は見極めが大事なので、まずは専門家に相談することをお勧めします。
協力:緑の森どうぶつ病院
旭川市旭神3条2丁目
TEL 0166-60–5866
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