北海道新聞 旭川支社 + ななかまど

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ミニぐるめ情報

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Vol.826 酒正(株)土井商店

“生酛造り”で醸された“新政 生成”は、道内でも扱っている酒店は「土井商店」を含め3軒しかない、手に入りにくい酒だ。


野生の乳酸菌が造り出す美酒

新政 生成(あらまさ エクリュ)

 

美瑛で創業80年以上の歴史を誇り、2017年7月に旭川市に移転オープンした「土井商店」。全道各地から銘酒を求めて足を運ぶ常連客も多い。
お正月用日本酒のお薦めは秋田県の蔵元「新政酒造」の“新政 生成(あらまさ エクリュ720ml・1,507円)”。
日本酒は蒸した米と水、麹、酵母で造られるが、その工程では酵母が雑菌にやられてしまわないよう乳酸が重要な役割を担っている。
一般的に乳酸は人工的に造られたものを使うが、この酒は酒蔵の空気中に存在する乳酸菌が付着するのを待つ“生酛(きもと)造り”と呼ばれる、日本酒本来の製法が用いられている。自然の力を利用するため通常の3倍の時間がかかり、極上の味わいになるという。
“新政 生成”は炭酸のようなキリリとした酸味が飛び込み、青空を思い浮かべるような爽快感がある。甘過ぎず重すぎず、程よい辛味には何者にも迎合しない日本酒の風格さえも感じる。

 

(右)瑠璃(ラピスラズリ)、(左)洞爺湖サミットでも振る舞われた〝磯自慢 大吟醸〟

 

姉妹品の“瑠璃(ラピスラズリ720ml・1,894円)”もまたいい。白ワインを思わせる上品な酸味が利いた爽やかな味わいは、何度もリピートしたくなる不思議な魅力がある。日本酒の重さが苦手な方には特にお薦めだ。
“磯自慢 大吟醸(720ml・4,278円)”は、かつて洞爺湖サミットの夕食会で乾杯酒として使われた実績を持つ酒蔵の逸品。透明感と気品あふれる質感が見事。道内の販売店はここのみ。
近日販売予定の限定酒は、店頭のほか毎週末、酒正土井のお酒ブログ『季節彩酒』でも紹介しているので、ぜひフォローして欲しい。

 

全国の蔵元から銘酒が集まる土井商店

 

 

酒正(株)土井商店

旭川市緑が丘東3条1丁目12-4

TEL.0166-60-6066

【時間】10:00〜20:00※12月31日は18:00まで
【定休日】火曜日※2020年1月1日から3日は休業
●P有

 

 


ミニぐるめ君のつぶやき

「新政酒造」は時代に合わせパック酒などの安酒を造り、経営難に追い込まれていた。業界の異端児と呼ばれた現8代目社長の佐藤祐輔氏が、酒造りの原点に立ち返り蔵を建て直した。“生酛造り”もそのひとつの酒だ。

【ミニぐるめ君ブログ】

https://ameblo.jp/ipponmatu-umare

 

※掲載情報は、取材当時のものです。閲覧時点で情報が異なる場合がありますので、予めご了承ください。


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