北海道新聞 旭川支社 + ななかまど

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北極星

道北各界で活躍する皆さんによるエッセーコーナーです。 2020年3月までの記事はこちら


風間千鶴子(旭川道新エッセー教室受講生)*たくさんありますね

 後期高齢者医療健診を受けた。最後に先生が私の口の中を見て、「たくさんありますね」と27本ある歯の本数を褒めてくれた。

 30代初め、歯医者で口を開けると、「変わっていますね。写真を撮ってもいいですか」と聞かれた。そして、「このままでは将来入れ歯にすることはできませんよ。大手術になりますから」と脅された。

 下の歯茎に骨が変形して隆起した四つの大きなこぶがあるためだ。「あなたがおなかにいる時、骨が丈夫になるようにカルシウムを飲んでいたからねぇ」。母のカルシウムが原因かは分からないが、こぶのおかげで、歯医者さん選びには苦労する。「手術しませんか?」と何度も勧められたり、治療を断られたりすることもある。

 おまけに上下の本数がアンバランスでかみ合わせも悪い。矯正用のマウスピースや、上下の本数を合わせるために80万円ほどのインプラントの提案も受けた。

 歯医者さんに脅されて以来、入れ歯にならないよう念入りに時間をかけて歯磨きする。おかげで、手術もマウスピースもインプラントとも無縁の生活をしている。今の自分と折り合いをつけながら、これからも現状維持で行くつもりだ。

 来年も、「たくさんありますね」と褒めていただけるように。

(2024年11月04日掲載)

 

※掲載情報は、取材当時のものです。閲覧時点で情報が異なる場合がありますので、予めご了承ください。


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