北極星
道北各界で活躍する皆さんによるエッセーコーナーです。 2020年3月までの記事はこちら
村上恭彦(なよろ市立天文台長)*金環日食
少し先の話ですが、5年後の2030年6月1日、日本では北海道でだけ観測される金環日食が起きます。
日食は、太陽と地球の間に月が入り込み、地球から見ると月が太陽を覆い隠す現象です。ただし、地球と月の距離は一定ではなく、月がやや遠くなると太陽を完全には隠せず、太陽の縁だけが環状に輝いて見える「金環」日食となります。
金環日食は、地球上のどこかで年間2回ほど発生していますが、戦争地域ではなく、気候が穏やかで安全な都市で観測できるケースとなると、ぐっと減ります。そんな貴重な日食が、日本では北海道でのみ観測できるというのですから、今から期待が高まります。
ただし、それまでに解決すべき課題もあります。まず、まぶしい太陽の安全な観察方法を伝える啓発活動が不可欠です。世界中から道内に多くの観光客が訪れる可能性があり、受け入れ態勢の整備が必要です。加えて、当日に晴れる場所が限られた場合、大規模な人の移動に伴う交通渋滞対策も考慮しなければなりません。
何より、この現象がまだ道内で十分認知されていないことこそ課題です。
このため、なよろ市立天文台は、ちょうど5年前となる今年の6月1日に日食に関する講演会を開き、これを皮切りに本格的な周知活動を始める予定です。
(2025年05月26日掲載)
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