北極星
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小建朋佳(旭川道新エッセー教室受講生)*すべてスマホが教えてくれる
今やスマートフォンなしには生活できないが、旅先ではより一層頼りになる。
先日、息子の住む富山県を旅した。飛行機もJRも、スマホひとつで「ピッピッ、ピッピッ」と乗り継ぐことができた。次に乗り換える電車は何時に、どこから乗るのかも、すべてスマホが教えてくれる。
かつてのように、いちいち料金表を見て小銭を数えたり、地図を広げたりしなくてもいい。途中、面白いものを見つければ、スマホで写真を撮ることも、行きたい店の評判やお薦め料理を知ることもできる。実に便利な、旅の必需品だ。
一方、スマホが何でも教えてくれるので、冒険的な要素がなくなり、旅の良さが半減しているようにも感じる。見知らぬ土地で「紛失したら終わりだ」との心配も常につきまとう。
いっそ中身の個人情報もろとも「えーい!」と宇宙まで投げ飛ばしたら、「なんて身軽になるだろう」と考えることすらある。
それでも、私はまたスマホを手に取り、旅をする。もはや癖なのだ。なんなら一日中持っていて、首や腕もだるい。
息子の住む街で、私はいつものようにスマホを手に郵便局を探した。「そろそろなんだけど」。画面にばかり気を取られ、周りの景色が全く見えていなかった。気づけば郵便局をとうに過ぎていた。
(2025年06月23日掲載)
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