北海道新聞 旭川支社 + ななかまど

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北極星

道北各界で活躍する皆さんによるエッセーコーナーです。 2020年3月までの記事はこちら


立石淑恵(オホーツクミュージアムえさし学芸員)*函岳調査

 北海道北部の北見山系から連なる山々は、オホーツク海側の枝幸地方と上川管内北部とを隔てる分水嶺(れい)となっています。中でも函岳(1129メートル)は、宗谷管内では利尻山(1721メートル)を除き、標高千メートルを超す唯一の山であり、山頂付近を中心に多様な高山植物が生育していることで知られています。

 函岳山頂の北東斜面には、「カール(圏谷)」の可能性が指摘される特異な地形が広がっていて、雪田が広がる範囲を中心に特徴的な植物群落の存在が報告されています。函岳山頂は、枝幸町と美深町、音威子府村との境界になっていて、このうち美深町が函岳を観光資源として積極的に活用しています。一方で、あまり知られてはいませんが、多様な植生環境が守られている山頂から北東にかけての斜面は枝幸町域に属しています。

 当館では、定期的に函岳山頂から北東にかけての枝幸町域の植生調査を実施しています。今年も調査を実施しましたが、残念ながら濃霧の中での調査となりました。それでも、リンネソウの花やコケモモの実などの高山植物を確認することができました。

 本調査では確認できませんでしたが、天気や時期がよければ、ハクサンチドリやウコンウツギなどの花々も見ることができます。当館では、来年の調査こそ天気が良い日に実施できるように、まずはてるてる坊主の準備から始めています。

(2025年08月11日掲載)

 

※掲載情報は、取材当時のものです。閲覧時点で情報が異なる場合がありますので、予めご了承ください。


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