北海道新聞 旭川支社 + ななかまど

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北極星

道北各界で活躍する皆さんによるエッセーコーナーです。 2020年3月までの記事はこちら


國枝保幸(市立稚内病院長)*菩提寺

 菩提(ぼだい)寺は岩手県陸前高田市の小さな漁村にあります。曽祖父がこの寺の住職となったことがルーツです。

 私は父親から、この土地が私たちの故郷だと教えられて育ちましたが、血縁の葬儀くらいでしか訪れる機会はありませんでしたから、父親のように愛情を感じたことはありません。

 住職からは、檀家(だんか)だから私もお墓に入ることができると告げられました。他宗派のお経をあげてはいけないとも念を押されました。

 ですから、母親が亡くなった時は焼骨だけ稚内で行い、骨つぼを抱きしめて陸前高田市へ移動して改めて葬儀を行いました。

 父親も後を追うように亡くなりましたが、葬儀は市立稚内病院で執り行いました。住職が稚内まで来て、お経をあげてくれたのには少々、驚きました。

 納骨は菩提寺で改めて行いました。とりあえず父の弟(私の叔父)の墓に入れてもらい、改めて新しい墓を建てることにしました。

 この叔父とは別の、父親の末弟は身寄りがなく、亡くなったら一緒の墓に入れるよう住職にお願いしたところ、「葬儀はちゃんとあげてください」と言われ、後日、骨になったその叔父と菩提寺まで行きました。

 つくづく死ぬということはお金がかかることだと思いました。そろそろ菩提寺の処遇を息子と相談しようと考えています。

(2025年11月17日掲載)

 

※掲載情報は、取材当時のものです。閲覧時点で情報が異なる場合がありますので、予めご了承ください。


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