北極星
道北各界で活躍する皆さんによるエッセーコーナーです。 2020年3月までの記事はこちら
高田園子(旭川道新エッセー教室受講生)*また、今度
高校時代の友人と、当時の下宿先を訪ねた。何十年ぶりだろう。細い通りを歩くと、懐かしさが込み上げてきた。「毎日通った道だね」「あのお風呂屋さんに一緒に行ったね」。会話の声も自然と大きくなる。当時でも古かった建物は、やはりなかったが、あの頃の思い出で胸がいっぱいになった。
下宿は10人程の高校生が暮らしていた。親元を離れ、見知らぬ街で暮らすのは心細かったが、みんな明るく、仲が良かったので、どんなに助けられたことだろう。その中で誰よりも時間を共に過ごしたのが彼女だった。
20年以上会っていなかった私たちに再会のきっかけをくれたのは、別の同級生だった。
「おまえら同じ釜の飯を食っていた仲間なのに、なんで会わないんだ?」
そう言われた彼女が、すぐ私に連絡をくれた。同じ釜の飯とは、良く言ったものだ。話していると、2人だからわかる話題が多いことにも気がついた。
機会をつくってくれたその人に深く感謝したが、その気持ちを直接伝えることはもうできない。重い病を抱えていた彼。「今度」と先延ばしする私たちに「会えるうちに会っておけ」と背中を押してくれたのだと思う。
時はあっという間に過ぎる。肝に銘じて、歩んでいきたい。
(2026年01月12日掲載)
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