北海道新聞 旭川支社 + ななかまど

北海道新聞 旭川支社 + ななかまど

旭山動物園わくわく日記

全国的な人気を呼ぶ旭川市旭山動物園の話題やイベント、裏話などを紹介します。 旭山動物園ガイドとしてもお楽しみいただけます。 2020年3月までの記事はこちら


正月出勤の楽しみ*静かな園内を独り占め


 

 昨年に続いて大変だった2021年も終わろうとしています。時節柄、来年の干支(えと)であるトラについて書こうと思ったのですが、昨年の今頃に年賀状と干支というテーマで書いたことを思い出したので、今年はお正月の動物園についてお伝えしたいと思います。

 皆さまは知っているかもしれませんが、動物園は12月30日から1月1日までの3日間は休園しています。正月といっても、動物たちはいつもどおり暮らしているので、私たち飼育スタッフの仕事は変わりません。ですが、やはり正月でもあるので、通常の出勤シフトとは違い、人数を最小限にした正月シフトが組まれています。

 実を言うと、私は動物園で働き始めてから15年間のうち、13回正月出勤をしています。別にブラックなわけではなく、実家が本州で3日間では帰省もできないということで、近くに実家のある同僚に休んでもらうために進んで出勤してきました。

 それ以外にも正月出勤の楽しみというのがあります。一つは来園者のいない静かな動物園を独り占めできるということ。動物たちも人がいないと、いつも以上に飼育スタッフに反応してくれる気がします。彼らにとっては正月は関係ないので、なんで今日は静かなのかな?と思っているかもしれませんね。ペンギンの散歩も彼らの運動不足解消が目的なので、お正月も行っています。静かな園内をペンギンたちと歩くのは正月特権といえます。

 そしてもう一つは、いつもより多い動物の世話を終えて事務所にもどってくると、休みの職員や飼育OBの方からの差し入れがあることです。お菓子や高級アイス、過去には餅つき器を持ってきてお雑煮を作ってくれたこともありました。

 12月31日に「よいお年を」と動物園を後にし、車も少ない元日の朝に出勤してきて「あけましておめでとうございます」と仕事を始めるのがほぼ毎年の恒例になっていますが、果たして今年の正月シフトはどうなるのでしょうか?
(獣医師・トナカイ担当 中村亮平)

 

【写真説明】担当する動物も多くなる年末年始。車には荷物や餌などが満載=2018年12月30日
(2021年12月5日掲載)

 

 

※掲載情報は、取材当時のものです。閲覧時点で情報が異なる場合がありますので、予めご了承ください。


GO TOP