北海道新聞 旭川支社 + ななかまど

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北極星

道北各界で活躍する皆さんによるエッセーコーナーです。 2020年3月までの記事はこちら


谷龍嗣(留萌・僧侶)*キモノプロジェクト

 7月24日。本来なら、東京五輪がスタートする日でした。そして213着の着物が披露される予定でした。五輪に向け、213の国と地域を表現した着物を作るという「キモノプロジェクト」は、福岡県の呉服店主高倉慶応(よしまさ)さんが中心に取り組む計画です。
 私がこの計画に関わらせてもらったのは2017年12月。留萌青年会議所の先輩、大石昌明さんに「一人の素晴らしい人が壮大な夢と決意をして走っている。そこに感銘を受けた。留萌青年会議所も一緒に(参加国の一つの)バングラデシュのサポーターにならないか」と誘いを受け、同国大使館を伺いました。
 「213着も…」。最初は半信半疑でしたが、絞りと「ローケチ染」で丁寧に染め上げる京都の「辻が花染め工房 絵絞庵(えしぼりあん)」を見学後、着物100カ国完成披露式典に参加し、「意志あるところに道は必ず開けるんだ」と確信しました。
 着物一着一着に関わる方の意思が宿っていると感動した経験は忘れられません。今年、全ての着物が完成したというニュースの後に、東京五輪が延期になりました。しかし、感動やつながりは消えない! 「和」から「輪」へKIMONOを通じて「世界はきっと、ひとつになれる」。来年は、213の着物と留萌の方々が関わった着物が五輪の大舞台で輝けますように!
 
(2020年7月27日掲載)

 

※掲載情報は、取材当時のものです。閲覧時点で情報が異なる場合がありますので、予めご了承ください。


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