北海道新聞 旭川支社 + ななかまど

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スポーツ


39*工夫するおもしろさ知った

 雪国では身近な学校のスキー授業。下肢に障害のある児童、生徒が座って滑るバイスキーで参加する光景が当たり前になりつつある。本年度、札幌市の小中学校13校で14人、旭川市では小学校10校で10人の児童、生徒がバイスキーを利用してスキー授業に参加する予定だ。SNSでは、たくさん滑って楽しかったという感想や、昨年より上達して滑る様子が見られ、とてもうれしい。
 私は旭川で育ち、スキー授業は毎回楽しみだった。しかし、足が不自由になった高校2年時のスキー授業はロッジで見学するだけだった。とても寂しい思い出だ。体育の授業も見学が多かったが、スキー授業だけは孤立感という強烈な記憶が今もなお残る。その後、パラアイスホッケーに出合った。
 さまざまなパラスポーツを経験してきたが、私と同じように寂しい思いをしている子どもがたくさんいるのではないか―と常に頭にあった。
 あれから約30年。多くの人の活動やサポートで社会は変わってきた。以前はなかったノウハウや技術が進歩している。できないことに着目するのではなく、どうやったらできるか、工夫してみることがパラスポーツのおもしろさでもある。広い北海道、まだまだスキー授業に参加できず寂しい思いをしている子どもがいるはず。どうしたらできるか。それを考えていきたい。
(2021年2月14日掲載)

 

※掲載情報は、取材当時のものです。閲覧時点で情報が異なる場合がありますので、予めご了承ください。


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