北極星
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森川理加子(士別・羊農家)*飲んだ帰りは「自動運転」
今年の夏はとても忙しい。多分に漏れず高齢者が大半を占めるわが自治会では、計算があまり得意でない私のような若手(自称)にまで会計担当の役員がついに回ってきた。人手不足のため仕方ない。
それでも自治会活動に関わると面白いこともある。特にお祭りの時には、昔の写真や年季の入った神事の道具などを見ながら、話に花が咲く。これが大変興味深いのだ。
今では閑散とした農村地帯だが、開拓時代はもっと民家が多く、一杯飲み屋もあったそうだ。みんな山仕事の帰りに馬そりに乗り、その飲み屋で一杯ひっかけて帰ったらしい。酔っ払うまで飲む人も多かったとか。そんな時代にどうやって帰ったのかが気になる。車もほとんどない時代なので飲酒運転の心配はないが、純粋にどうやって帰ったのかが不思議だ。
そう話すと、人生の先輩たちが笑いながら教えてくれた。酔っ払いをそれぞれの馬そりに乗せれば、馬が勝手に自分の家に帰るので、酔いつぶれて寝ていても大丈夫だったらしい。馬って賢いな! 最近話題の自動運転車も、まだそこまで進化していないだろう。
私も酔っ払っても家に連れ帰ってくれる馬や、自治会会計をやってくれる存在が欲しい。お酒だけ飲んでいればいい役員なら喜んで引き受けるのだが、そんなウマい話はないのである。
(2024年08月05日掲載)
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