今週の一枚
繁栄祈る炎「オーリャー」*美瑛で火祭
【美瑛】美瑛町や上富良野町などにまたがる十勝岳(2077メートル)の平穏と地域の繁栄を祈る「那智美瑛火祭」(実行委主催)が7月24日夜に町内で開かれ、白装束に身を包んだ約40人の担ぎ手が炎ゆらぐ大きなたいまつを掲げて歩いた。
1989年に始まり35回目。たいまつは長さ1.5メートル、重さ約30キロの道産カラマツ材。担ぎ手は町内の丸山公園から美瑛神社までの約700メートルを、「オーリャー」と掛け声を上げて練り歩いた。沿道の町民や観光客らは、たいまつの熱気と勇壮な様子に圧倒された。
火祭は和歌山県熊野地方の出身者が美瑛を開拓したことから、熊野那智大社の火祭に倣って行われている。20年ほど前から担ぎ手などで参加する和歌山県那智勝浦町の松本勉さん(74)は「美瑛の火祭は、地元に親しまれ、すごく進化している。これからも続いてほしい」と話した。
スローガンは、新型コロナによる社会的な影響が少なくなる中、多くのことに挑戦する元気を与えようと「挑」を選んだ。実行委員長の広瀬孝司さん(45)は「まちの発展と火山活動の沈静化を願って、これからも続けたい」と話した。(山中悠介)
【写真説明】激しく燃えるたいまつを掲げ、美瑛神社に向かう担ぎ手たち=7月24日午後7時45分、美瑛町・丸山公園(諸橋弘平撮影)
(2023年7月26日掲載)
※掲載情報は、取材当時のものです。閲覧時点で情報が異なる場合がありますので、予めご了承ください。