北海道新聞 旭川支社 + ななかまど

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今週の一枚


道産米の豊作 早乙女祈る*東川・「御田植祭」


 【東川】北海道神宮(札幌)に奉納するコメを栽培する町内の神饌(しんせん)田で11日、「御田植祭(おたうえさい)」が執り行われた。道産米の豊作を祈願する神事で、地元農協の女性職員ら12人が花笠(はながさ)にもんぺ姿の早乙女となり、古式にのっとって苗を植えた。

 水田は三田常男さんが所有する15アールで、1979年に道内唯一の神饌田に指定された。神事は新型コロナウイルスの影響で規模を縮小して続けたが、3年ぶりに報道公開した。

 今回は道内の農協や生産者ら約80人が参列した。まず宮司が水田を清め、神楽を奉納。青空にくっきりと浮かぶ大雪山系を背に、早乙女たちは笛太鼓に合わせて「ゆめぴりか」の苗を丁寧に植えていった。

 東川町農協の樽井功組合長は「昨年は大豊作だった一方で米価が下落した。今年もウクライナ情勢などで農業は不安定だが、出来秋を迎えたい」と話した。順調に育てば9月上旬に神事「抜穂祭(ぬいぼさい)」を行って収穫し、北海道神宮の新嘗祭(にいなめさい)で奉納する。(小林史明)
 

【写真説明】大雪山系の麓にある東川町の神饌田で、苗を植える早乙女(宮永春希撮影)
(2022年5月12日掲載)
 
 

 

※掲載情報は、取材当時のものです。閲覧時点で情報が異なる場合がありますので、予めご了承ください。


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