北海道新聞 旭川支社 + ななかまど

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北極星

道北各界で活躍する皆さんによるエッセーコーナーです。 2020年3月までの記事はこちら


嶋崎暁啓(豊富・自然ガイド)*ようこそ!サロベツ湿原の裏側へ

 見渡す限りの広大な湿原に続くのは、幅30センチほどの簡素な木道。よそ見をしていたら踏み外してしまいそうな木道を歩いて参加者たちは奥へ奥へと進んでいく…。

 これは本年度から私がガイドを担当している環境省の「サロベツ湿原バックヤードツアー」の様子だ。一般的な「バックヤードツアー」は、博物館や美術館などの裏側を見に行くイメージだと思うが、サロベツでは一味違う。通常は立ち入り禁止の調査用木道を歩いて湿原の奥地、非公開エリアに行くツアーになっている。

 あまり知られていないが、サロベツ湿原ではかつて泥炭採掘が行われていた。泥炭とは枯れた植物がほとんど分解されないまま積み重なったもので、英語でピートと呼ばれる。ウイスキー好きの方ならピンとくると思うが、サロベツではウイスキーではなく、土壌改良剤などを作っていた。採掘当時は国立公園外。現在は国立公園エリアに編入され、環境省により湿原植生を回復させるための自然再生事業が行われている。

 ツアーはまさに自然再生の取り組みを見に行く内容となっている。サロベツ湿原の自然と歴史の一端を知り、自然再生の最前線を訪ねる特別なツアー。10月まで月2回、無料開催されているので、ご興味があれば湿原の裏側を訪ねにお越しいただきたい。

(2025年08月04日掲載)

 

※掲載情報は、取材当時のものです。閲覧時点で情報が異なる場合がありますので、予めご了承ください。


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