北海道新聞 旭川支社 + ななかまど

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北極星

道北各界で活躍する皆さんによるエッセーコーナーです。 2020年3月までの記事はこちら


佐藤隆政(東川・不動産会社経営)*現代人の味覚

 私は姉2人の末っ子長男として農家に生まれました。当時はテレビ、冷蔵庫、洗濯機はなく、ご飯はまきストーブの上でお釜で炊いていた時代です。食べ物は自家生産で、豚、鶏、ヤギ、羊を飼育しており、山菜も豊富に採れました。

 農家の機動力として農耕馬もおり、小学校の3、4年になると餌やりや、寝わら(家畜の寝床)の世話は、長男の役割でした。周りの同級生はそんなことをする事はなく、悲しい思いで過ごしておりました。

 そんなときのおやじの殺し文句は「遊んでいてまずい物を食べるか、一生懸命手伝っておいしい物を食べるか」。その代わり、肉、魚、野菜、山菜はおなかいっぱい食べることができました。昔の食材は自然の味そのもの。当時の味は今も脳裏に焼き付いています。

 現代の食料品は、防腐剤や添加物が使われたり、塩分が強過ぎたりと、食材本来の味や風味を感じることが難しいように思います。濃い味に慣れすぎ、味覚が鈍くなっている現代人も多いのではないでしょうか。

 私の属する工業団地組合でハム工場の見学に行き、ハムをいただいたことがあります。おいしいのですが、やはり塩分が強く、庶民のために減らしてほしいと要望しました。ほかの組合員から拍手をいただき、同じ思いの人も多いのかと安堵(あんど)しました。

(2025年02月24日掲載)

 

※掲載情報は、取材当時のものです。閲覧時点で情報が異なる場合がありますので、予めご了承ください。


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