北極星
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川崎正紀(留萌・飲食業)*責任世代
先日、8歳になった長男の上の乳歯が抜けた。「上の歯が抜けたら床下に埋める」と昔から言うが、家にはその場所がない。仕方がないので「丈夫な大人の歯が生えますように」と手を合わせて花壇に埋めた。
翌日、私の上の歯が抜けた。これから生えてくる歯と、もう生えることのない歯。これから成長していく体と、老化していく体。半世紀以上生きていると体はだんだん衰えてくる。
髪は抜け、目はかすみ、歯も抜ける。肩は凝るし、腰は痛いし、膝も痛い。
まだ若いともいわれるが、高度経済成長期の第2次ベビーブーム世代である。
半世紀前のこの街の人口は約4万人。今の倍以上である。田舎から汽車に乗って留萌駅に降りると、すごい人だかりでびっくりした思い出がある。その汽車も今はもう無い。
これから半世紀後、息子がおじさんになったころ、きっと私はいないだろう。そしておじさんになった息子たちの生活はどうなっているんだろう。
少なくともあの時代が悪かったとか、あの世代のせいでとか、言われないようにしないと。子供たちの未来とこの街の行く末を良くしていく手段はないのだろうか。と、ただの焼き鳥店の店主が思ってもしょうがないのだが、責任世代としてはそう感じる今日この頃である。
(2024年11月25日掲載)
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