北海道新聞 旭川支社 + ななかまど

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北極星

道北各界で活躍する皆さんによるエッセーコーナーです。 2020年3月までの記事はこちら


奥野真人(焼尻・ゲストハウス経営)*埋没した肩甲骨

 「肩甲骨が見当たらないです」

 短い繁忙期を迎えた夏のある日、宿の仕事を住み込みで手伝ってくれていたレイちゃんが僕の肩を見てそう言った。彼女の本業はマッサージ師。慢性的な肩こりに悩んでいた僕たち夫婦はレイちゃんに体を見てもらったのだ。

 宿泊業に漁業に体を動かす仕事をしてはいるが、だから体がほぐれているかと言えばそう単純な話ではないらしい。日常的な姿勢や限定的な可動域が体を凝り固め、知らずのうちに肩甲骨が埋没したようだ。妻も笑う。「本当だ。肩甲骨がない…」。ただでさえ糖尿病の影響で疲れが取れにくい体質。加えて慢性的な肩こり、ゆゆしき事態である。

 お勧めされたのは、はり治療と肩甲骨剝がし。痛そうなはり治療には抵抗があったが「肩甲骨を改善するだけで仕事がはかどりますよ」とのアドバイスに吹っ切れた。幸い今は通院のため兵庫県に長めの帰省中だ。

 かくして先日初めてのはり治療に挑んだのだが、開口一番「奥野さん、肩甲骨が埋まってます」と深刻そうに言う整体師さん。だから来たんですよ。

 約30分の施術を経て「少し兆しが見えました」と整体師さんは言った。「はりは2週に1回やりましょう。半年も続ければ…」。残念、半年後は焼尻島に戻っている。道のりは長そうだ。

(2024年11月18日掲載)

 

※掲載情報は、取材当時のものです。閲覧時点で情報が異なる場合がありますので、予めご了承ください。


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