北極星
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奥田修一(中富良野・北海道風景画館主宰、画家)*夏の庭 変化実感
幼少の頃より自然が好きだった。これが風景画家という職業を選んだ要因であるのは疑いようもない。
物心がついてから埼玉で過ごした。小学生の頃、休み時間になると一人で虫捕りをしていた。カブトムシ、クワガタ、チョウチョウを捕まえては家で飼った。
私の中富良野の美術館には、二千余坪の庭があり公開している。植物の植え替え、草刈り、いくらでも仕事がある。大抵午後4時くらいから2、3時間ほど庭で働く。
ここ数年の間に、今までいなかったミンミンゼミ、アブラゼミ、ツクツクホウシが庭で鳴き、まるで埼玉の少年時代の夏の様である。ミンミンゼミは北海道ではかつて、道南や屈斜路湖畔の火山の影響で地熱が高い和琴半島に生息している事になっていたが、私の庭でも今はうるさい位に鳴く。
半世紀前ごろは埼玉でも夏休みに30度を超えれば暑いと思った。今は中富良野でも30度を超える日がひと月も続く。埼玉は40度近い日が珍しくない。
夕方、庭仕事の後、池のほとりで夕涼みをしていると、カブトムシが飛んで来る。ビールの香りが好きなのである。カブトムシも元々この辺りはいなかった。飼育の放棄、道外からの堆肥などに混入して広がったのだろう。温暖化と外来種の進行が庭でも実感できる。
(2024年09月23日掲載)
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