北海道新聞 旭川支社 + ななかまど

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北極星

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立石淑恵(オホーツクミュージアムえさし学芸員)*チゴハヤブサの子育て

 鳥たちの大多数にとってヒナが巣立ち子育てが一段落するこの時期に、子育てを始めるチゴハヤブサという鳥がいます。「稚児」という名前の通りハトほどの大きさの小さなハヤブサです。

 チゴハヤブサは、4月下旬から5月上旬に北海道や東北へ渡って来る夏鳥で、6月上旬ごろに卵を産み、1カ月ほどするとヒナがかえります。ヒナたちが巣立つのは8月のお盆のころです。

 チゴハヤブサが春ではなく夏に子育てをする理由ははっきりとはわかりませんが、チゴハヤブサの餌に大きな要因があると考えられます。チゴハヤブサは飛ぶスピードが速く、同じく飛ぶスピードが速いツバメやアマツバメなども捕食します。しかしスピードが速い獲物を捕まえるのは、チゴハヤブサでも簡単ではありません。そこで、巣立ったばかりで飛ぶのがあまり上手ではない幼鳥をたくさんとって、自分たちのヒナに餌として与えているのです。また、チゴハヤブサはトンボをよく食べます。そのため、トンボが出てくる時期に合わせて子育てをしているのかもしれません。

 チゴハヤブサは市街地の寺社や公園で営巣します。また、鳴き声が特徴的な金切り声なので、近くにいると比較的簡単にわかります。子育てに忙しくなるこれからの時期、より盛んに鳴き始めるので、ぜひ耳を澄ませてチゴハヤブサを探してみてください。

(2024年07月01日掲載)

 

※掲載情報は、取材当時のものです。閲覧時点で情報が異なる場合がありますので、予めご了承ください。


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