今週の一枚
ゆめ、元気で神戸へ*旭山のホッキョクグマ最終日
旭川市旭山動物園で11月30日、神戸市立王子動物園へ移されるホッキョクグマの雌ゆめ(1歳11カ月)の公開が最終日を迎えた。生まれ育った旭山動物園を12月1日に旅立つ前のゆめの姿を一目見ようと、開園から多くのファンが詰めかけた。
「好奇心旺盛な姿がいとおしく、いつも元気付けられていた。神戸にも遊びに行きたい」。旭山動物園の「ほっきょくぐま館」で、かばんにゆめの缶バッジを付けていた旭川市の看護師渡辺利恵子さん(48)が話した。ゆめはこの日、遊び道具のポリタンクをくわえて振り回したり、母親の体に顔をなすりつけて甘えたりする姿を見せ、来園者が写真や動画を撮影していた。
ゆめは2021年12月、旭山動物園で40年ぶりに繁殖に成功し、生まれた。動物を貸し借りする日本動物園水族館協会(東京)の管理計画により、繁殖のため移動させる。飼育担当の大西敏文さん(50)は、やんちゃな性格のゆめを振り返り「神戸では物を壊さないように。移動という一番大きなハードルを越えるまで、緊張感をもって見守りたい」とほほえんだ。
旭山動物園に残るホッキョクグマは、ピリカ(17歳)とルル(28歳)の雌2頭となる。今後、雄のホッキョクグマを他の動物園から受け入れ、ピリカとの繁殖に向けて準備する考え。(渡辺愛梨)
【写真説明】12月1日に神戸市立王子動物園へ旅立ったホッキョクグマのゆめ(西野正史撮影)
(2023年12月1日掲載)
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