北海道新聞 旭川支社 + ななかまど

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どうほく談話室


留萌市立病院支える「ボランティア・スマイル」代表 神田千春さん(61)

介助支援や花壇整備、読み聞かせも*患者、スタッフの「感謝」 原動力

【留萌】留萌市立病院を陰で支えるボランティアがいる。主婦らでつくる「ボランティア・スマイル」で、活動歴は20年以上に及ぶ。縁の下の力持ちを続けられる原動力は、患者や医療スタッフから向けられる「感謝」だという。神田千春代表(61)に、これまでの歩みや現状について聞いた。(聞き手・留萌支局 吉川幸佑、写真も)

――「スマイル」の歴史を教えてください。

「病院が現在の場所に新築移転した2001年に発足しました。院内ボランティアの活動は札幌の病院などで盛んです。それらを参考にしながら、留萌市内の主婦ら40人弱が集まったのが始まりと聞いています」

――活動内容は。

「現会員は41人で、車いすの患者の介助やベビーシッターなど病院業務を支援するほか、担当ごとにイベント、フラワー、ソーイング、生け花、図書の5班に分かれて活動しています。敷地内の花壇整備や患者用のおむつ入れ作り、患者に向けた紙芝居や本の読み聞かせなどを実施。秋に『スマイルフェスティバル』という催しを開き、バザー形式で日用品や花などを販売して活動資金に充てています」

――神田さんは13年から活動に参加しました。

「元々は市内の別のボランティアグループに入っていて、そこで知り合った元病院職員からスマイルに誘われました。加入と同時に代表職である『コーディネーター』に就いて不安でしたが、会員たちの支えもあって、楽しく学びのある日々を過ごしています」

――近年は新型コロナウイルスの感染が市内でも広がりました。活動への影響は。

「イベントは軒並み中止になり、普段の活動でも一度に集まれるのは3人までです。さまざまな制限の中、会員たちはこの状況でできることをやろうと知恵を絞っています。医療スタッフを励ますために院内外に手作りランタンを飾ったり、防護服の下に着られる肌着を作ったりしました」

――20年以上にわたり、無償で病院を支援している原動力は。

「30代の会員もいますが、平均年齢は70歳くらいでかなり高齢化が進んでいます。もう力仕事はできないという声も聞かれるけれど、皆さんが口をそろえるのは、感謝されるのが何よりのやりがいということです。『きれいなお花をありがとう』『あなたに相談してみてよかった』と言われると、やっていてよかったと思えます」

――今後の活動について代表としての思いは。

「病院に来た患者たちに気持ちよく帰ってもらえるように、引き続き医療スタッフと患者の双方への手助けができればと思います。早く日常に戻って、イベントが開けたら良いですね」

 

*取材後記
高齢化の話になった時、「会員数も年々減っているのでは」と尋ねた。答えは意外で、引退する人が友人を勧誘してから去る新陳代謝によって、一定の人数を保っているという。「活動自体が会員の交流の場になっていて、いつも皆さん、笑顔で帰って行くんです」と続けた。時間と体力に余裕のある人や、仲間とともに汗を流したい人は、ボランティア・スマイルを手伝ってみてはいかが。

 

かんだ・ちはる 1961年、留萌市生まれ。留萌高を卒業後、市内の医院で事務職員として勤務。結婚を機に退職し、2011年から市内への書店誘致に奔走した「三省堂書店を留萌に呼び隊」のメンバーとして活動。13年のボランティア・スマイル加入と同時に現職。

 
(2022年6月20日掲載)
 
 

 

※掲載情報は、取材当時のものです。閲覧時点で情報が異なる場合がありますので、予めご了承ください。


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