北海道新聞 旭川支社 + ななかまど

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旭山動物園わくわく日記

全国的な人気を呼ぶ旭川市旭山動物園の話題やイベント、裏話などを紹介します。 旭山動物園ガイドとしてもお楽しみいただけます。 2020年3月までの記事はこちら


マヌルネコ「グルーシャ」*モフモフ冬毛 来園者とりこ

 ふわふわした体毛のマヌルネコは、カクカクとコマ送りのような動きが特徴。警戒心が強く、高い場所では動かないことが多い。そんな姿が「モフモフの毛を触ってみたい」「じっとしている姿も愛らしい」と来園者をとりこにしている。

 名前はグルーシャ。4歳の雄で体長約50センチ、体重約6キロ。本来はモンゴルやイランなどの高地に生息しているため、寒さに強く、冬は分厚い毛に覆われる。国内では動物園7カ所で計17匹が飼育され、道内で見られるのは旭山動物園だけ(10月28日時点)。

 グルーシャが暮らす小獣舎は今春に大規模改築し、放飼場(ほうしじょう)を約2倍の面積に広げた。高地をイメージした擬岩を配置し、高台には跳躍しないと登れないようにするなど工夫を凝らした。

 飼育を一時的に担当している獣医師池谷優子さん(48)は「以前よりも野生に近づいた姿が楽しめると思う」と話す。池谷さんによると、高台でのんびりくつろいでいるか、隣のレッサーパンダ舎のつり橋を見つめていることが多く、飼い猫のように、毛繕いや爪研ぎの様子も見られるという。

 道内は本州に比べ、寒さが厳しい。そのためか、「グルーシャは日本で一番、マヌルネコらしい体形」とファンの間で話題になっている。各地の動物園に足しげく通う長野県の会社員小林美由紀さん(46)も「本州のマヌルネコと比べると、体が丸くて大きい点が魅力」と人気の理由を話す。

 4月中旬、那須どうぶつ王国(栃木県)の公式ユーチューブチャンネルに、マヌルネコの独特な行動を歌った「マヌルネコのうた」が投稿された。熱狂的ファンが元々多かったこともあり、約200万回以上再生され、マヌルネコ人気を再燃させた。

 グルーシャは来園した2018年以来ずっと独り身。国内の個体数が少なく、血縁関係に配慮する必要もあり、繁殖が難しいためだ。小獣舎改築の際には「雌を迎え入れるのかも」とファンの間で期待が高まったが、現時点で予定はない。グルーシャが1匹で悠々自適に過ごす日々は、まだまだ続きそうだ。(相武大輝)

 

【写真説明】周囲を警戒しながら来園者を見つめるマヌルネコの「グルーシャ」(宮永春希撮影)
(2021年12月19日掲載)

 

 

 

 

※掲載情報は、取材当時のものです。閲覧時点で情報が異なる場合がありますので、予めご了承ください。


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