北海道新聞 旭川支社 + ななかまど

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旭山動物園わくわく日記

全国的な人気を呼ぶ旭川市旭山動物園の話題やイベント、裏話などを紹介します。 旭山動物園ガイドとしてもお楽しみいただけます。 2020年3月までの記事はこちら


新型コロナで進む電子化*動画やキャッシュレス導入

 夏季営業を6月1日に始めて3カ月。園内では「3密」を防ぐため、電子機器を使った取り組みが進む。週末恒例の飼育員ガイドはスマートフォンを使った生中継配信に切り替え、入園券に電子チケットを導入した。新型コロナウイルスの影響で8月の来園者は前年の半分にとどまるが、こうした取り組みは新たなファンの獲得や利便性向上にもつながり、コロナ収束後の活用も期待できそうだ。
 8月30日午後1時半、園内にはスマホの画面を見つめる来園者の姿がちらほらと見えた。画面にはさる山で一緒に展示されているニホンザルとニホンイノシシが映し出され、それぞれの生態を飼育員が説明していた。
 この日から始めた「ワンポイントガイド」の生中継配信だ。日曜と祝日に各展示施設の飼育員が持ち回りで行っていたガイドは、人気のあまり混雑したため、夏季開園から中止したが、動画投稿サイトのユーチューブを活用する形で再開させた。
 同サイトの旭山動物園公式チャンネルにアクセスすると、飼育員がスマホで撮影している動画をリアルタイムで見ることができる。園内でスマホで視聴した名寄市の吉田彩来(さら)さん(23)は「飼育員の目線で見るのが楽しい」。動画は自宅でも視聴でき、録画も配信。再生回数は9月3日現在、870回に上る。
 インターネット予約サイト「アソビュー!」で購入できる電子チケットの利用も定着しつつある。事前にクレジットカードで決済すると、当日は入場門で職員にスマホ画面のチケットを提示するだけで入ることができる。6月の導入時の利用者は来園者全体の2%だったが、8月は6%に増えた。
 入場門の入園券販売窓口でも8月から電子マネーのキャッシュレス決済を始め、来園者の15%が利用する。同園の田村哲也主幹は「職員との接触を防ぐ感染予防策として始めたが、若い世代や外国人を中心に利用が広がりそう」と期待する。さまざまな感染防止策を打ち出し、いかに安心して楽しんでもらうか。動物園の奮闘はしばらく続きそうだ。(若林彩)

(2020年9月6日掲載)

 

※掲載情報は、取材当時のものです。閲覧時点で情報が異なる場合がありますので、予めご了承ください。


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