北海道新聞 旭川支社 + ななかまど

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今週の一枚


気分は晴れ舞台 演奏高らか*音楽大行進中止の旭商高吹奏楽部 校庭で披露*マーチングの伝統 後輩に(7/13掲載)

 

 旭川商業高吹奏楽部は7月11日、新型コロナウイルスの影響で中止となった今年の「北海道音楽大行進」で披露するはずだった演奏を、同校校庭で行った。恒例の晴れ舞台は母校のグラウンドに変わったが、部員たちは伝統を引き継ごうと、青空の下で精いっぱいのパフォーマンスを見せた。(相武大輝、山口真理絵)

 音楽大行進は毎年6月に旭川市内で開かれており、同部は1929年(昭和4年)の第1回から参加する常連校だ。演奏しながら行進などの動きをする「マーチング」の演奏方法やダンスは例年、上級生が下級生に指導し伝えている。

 今年の開催中止を受け、このノウハウが部内で引き継がれないことを懸念し、保護者やOBなど関係者だけを招いた同校独自のパレードを企画した。コロナによる臨時休校が明けた6月初旬から、全体練習を重ねてきた。

 本番と同じコスチュームを身に着け、造花などで楽器を彩った部員たちは、円陣を組んで気合を入れ、行進をスタート。部伝統の演奏曲で、高校野球の甲子園大会でもおなじみの「エル・クンバンチェロ」を繰り返し披露しながら、校庭を何度も周回した。音色に誘われた地域住民や部員の保護者ら約150人が校庭に集まり、コロナ禍にめげず全力で演奏する生徒たちに拍手を送った。

 部長で3年生の田中愛奈弥(まなみ)さん(17)は「例年と形は異なるけれど、お客さんの前で(演奏と行進を)披露できた。最高の思い出になった」と話し、笑顔で汗を拭った。

 

【写真説明】保護者らが見守る中、校庭を行進する旭川商業高吹奏楽部の部員たち(宮永春希撮影) 

(2020年7月13日掲載) 

 

※掲載情報は、取材当時のものです。閲覧時点で情報が異なる場合がありますので、予めご了承ください。


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