北海道新聞 旭川支社 + ななかまど

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北極星

道北各界で活躍する皆さんによるエッセーコーナーです。 2020年3月までの記事はこちら


有村幸盛(旭川・文化団体事務局長)*若手落語家の魅力

 この数年、落語ブームと言われています。特に若手が注目され、私も時々、札幌に若手の落語を観(み)に行くようになりました。

 今活躍する若手は所作やたたずまいが格好良く、高座に上がった瞬間から人を引き付ける雰囲気を醸し出しています。そして型にはまらない自分流のスタイルで、のびのびと自信満々で演じている姿に驚きます。

 才能ある人たちが入ってきたこともあると思いますが、「落語カフェ」など、昔に比べ、いろいろな会場や形態での落語会が増え、場数を踏みながらファンを増やしてきた自信もあるのではないでしょうか。

 旭川でも、若手2人が出演する「旭川福北寄席」をまちなかぶんか小屋主催で昨年から始めました。「テンポが軽快で面白い」「個性がステキ」「真打ち昇進前の勢いを感じた」と好評です。初めて落語に接した人の割合が高いのも特徴です。落語の醍醐味(だいごみ)をもっと味わえるベテラン、名人の落語に関心を広げていただきたいと思っています。

 落語は予備知識がなくても面白く、気軽に楽しめる芸能です。しかし、最近は新型コロナウイルス感染予防対策で、小規模な落語会でも簡単に開けない環境にあります。落語会に限らず演劇や音楽など、あらゆる生の舞台が思うように開けない非常事態です。一日も早い終息を願っています。

(2020年3月30日掲載)

 

※掲載情報は、取材当時のものです。閲覧時点で情報が異なる場合がありますので、予めご了承ください。


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