北海道新聞 旭川支社 + ななかまど

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まち

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Vol.02 いきなり道北トマトサミット!

子どものトマト嫌いを克服する
おいしいトマトを探せ!

 

「うちの子、野菜が嫌いなんです」。
そんな悩みを持つ家族は少なくないだろう。家庭でも学校給食でも、いかに子どもたちに野菜を食べさせるかで頭を悩ませている話はよく耳にする。トマトも子どもに嫌われる野菜の代表格ではないだろうか。しかし「小売店で買ったトマトは食べられないのに、農家の直売所で買ったトマトはおいしく食べられた」といった声が聞かれることも多い。
なにが違うかというと、農家の直売所で販売されているトマトは、トマトの樹にぶら下がったまま赤く完熟したものが並ぶため、みずみずしく味も濃厚でおいしい。一方小売店のトマトは、お尻が10円玉程赤くなったところで収穫し、移送中に赤くなってから店先に並べられるため、トマト本来の味わいや口当たり、みずみずしさがどうしても完熟したものよりも劣ってしまうのだ。トマトに限らず、葉物をはじめ多くの野菜は収穫したては味が濃く、魅力的な風味があるのだ。
小売店に足を運べば食べ物が何でも手に入る。それはとても便利でありがたいことだが、野菜嫌いを克服するには農家の直売所で収穫したての野菜を食べてみてほしい。子どもたちのトマト嫌いを克服できそうなおいしいトマトでサミットを開催することとなった。

 

絶賛する声が飛び交う
完熟トマトの試食会。

今回のミッションを受け、集めてきたトマトは3種類。
まず1個目は、東旭川の「谷口農場」の中玉トマト〝シンディスイート〟。料理名人のさなともさんが一口サイズにカットする。口にした編集部スタッフのあつをから悲鳴のような「濃厚!!」の声が上がる。そうそう、今回用意したトマトはどれも濃厚なのだ。
2個目は同じく「谷口農場」の大玉トマト〝りんか〟。このトマトは不思議なことに真っ赤に熟すると味がぼけるので、少し黄色味が残っているくらいが丁度よいのだ。カットしたトマトはみずみずしく、新鮮さがあふれている。一口食べた編集長ハマが「私こっちの方が好き」と満面の笑みを見せる。甘さの奥に個性的な酸味があり、ジビエのようなワイルドな風味を感じる。
最後は比布町の「たかだ畑」の中玉トマト〝贅沢トマト〟。熟したその色は少し黒ずんだ赤色で、異彩を放っている。「濃い!!」。スタッフが口を揃えてそう叫ぶ。
「トマトってこんなにおいしかったの!?」 「ドレッシングいらないね。」 「どれも濃いな〜〜。」 「今まで食べてたのなに?」  そんな言葉が試食会会場に乱れ飛ぶ「道北トマトサミット」だった。

 

トマトの旬は夏?
それとも秋?

実は今回集めた3種以外にもおいしいトマトはたくさんある。にも関わらず3種に絞った理由は、候補に挙げていた他の農家が収穫のピークを秋に定めているため、苗を定植したばかりで完熟トマトができていないからだ。
「トマトは夏の野菜では?」。そんな質問をぶつけると「トマトはジュースに加工するのだけれど、寒暖差が増す秋の方がトマトの甘さが増すので、収穫のピークを秋に合わせている」のだという。谷口農場もトマトジュースを作っているが、観光農場として「トマトもぎとり園」を行っているので、この時期でも完熟が収穫できるのだ。ということは「トマトの旬は秋?」。秋にもう一度「道北トマトサミット」を開催することになるかも・・・。

 

美味しいトマトを買いに
今年は直売所へ行こう

ともあれ、大の大人が悲鳴を上げるほど濃厚でおいしかった、農家の直売所で購入した完熟トマトたち。トマト嫌いなお子様がいるご家庭は特に農場まで足を運び、感動的なおいしさを体験して欲しいと思う。〈文 ミニぐるめ君〉

 


 

ご協力いただいた2件のトマト生産者さん

 

旭川市
株式会社 谷口農場 さん
中玉トマト シンディスイート

●トマトを食べてみた感想●

みずお/酸味が強く味がはっきりしている。濃厚かつ強く記憶に残る味。
ふじ/酸味の後から濃い味があふれてくる。皮もしっかりしている。
ハマ/ケチャップを食べてるような濃厚さ!酸っぱーい、うまーい!!

 

中玉トマト〝シンディスイート〟。サイズは小ぶりながらも味の濃さは大玉を超えるパンチ力がある。流行の言葉を使えば「半端ないって」といったところだ。農場のトマトハウスでもぎとりもできるので、ぜひ家族や仲間と楽しんで欲しい。栽培方法は自家製の有機肥料を与えた、JAS認証の有機栽培トマトだ。

 

大玉トマト りんか

●トマトを食べてみた感想●

カトウ/フワフワと柔らかく、果肉のキメが細かい。とっても甘い。
あつを/しっとりとしていて歯触りが良く果肉が楽しめる。甘さが強い。
ちょろ松/歯応えが良く果肉感がある。甘味と酸味のバランスがグッド!!

 

自社工場で加工したトマトジュース〝ゆうきくん〟の原材料にもなっている大玉トマト〝りんか〟。よく見るとうっすらと黄色味が残っていて完熟していないように見えるが、真っ赤に熟する一歩前が、一番味の乗った食べ頃なのだとか。甘味と酸味のバランスが良く、ワイルドな風味が特徴。中玉トマト〝シンディスイート〟と同じで、自家製の有機肥料を与えたJAS認証の有機栽培トマト。

 

農業生産法人 株式会社谷口農場

有機栽培トマトジュース“ゆうきくん”(写真左2本・1本226円)と、谷口農場法人化50周年記念旧パッケージ“ゆうきくん”(写真右2本・特別価格1本150円)

 

トマトが収穫の時期を待つハウス

 

地域を代表する有機農法の第一人者。トマトの他、20種類以上の野菜や米、豆類などを栽培し、 ジュースやゼリー、味噌などの加工品も幅広く生産している。

旭川市東旭川町共栄255番地
TEL 0166-34-6699 (直売店・カフェ・トマトもぎとり園/TEL 0166-38-6336)
●時間/〈6月〜8月〉9:00〜18:00〈9月〉10:00〜17:00
●トマトもぎとり園時間/ 6月〜9月末・9:00〜17:00
●開園期間/6月〜9月
●定休日/不定休・カフェは水曜日(休日の場合は翌日休)

 


 

比布町
ふれあいファームたかだ畑 さん
中玉トマト 贅沢トマト

●トマトを食べてみた感想●

あつを/一番味が濃い。甘さも3種類のうちで一番。
ハマ/味付けされているような濃厚さ。皮がしっかりしていて一番赤い!!
ちょろ松/味がグラデーションみたい…。ひと口目と飲み込む時の味が違う。

 

桃太郎トマトよりも少し濃い赤色をした、やや小さめのトマト。濃厚で印象的な甘さと酸味がある。収穫したその日は酸味が際立つが徐々にまろやかになり、3日目には甘さがピークに達する。水が少ないと実が枯れやすく、熟しすぎると割れやすい欠点があるため栽培を嫌う農家も多い。

 

ふれあいファームたかだ畑直売所

米や野菜も販売している直売所

ブログやフェイスブックなどSNSでも人気の「たかだ畑」。ご主人のこだわり“贅沢トマト”には熱烈なファンを持つ。6月は低温と日照不足の影響で生育が遅れているため、毎日早々に売り切れが続いているが、気温が上がる7月には一気に完熟しそう。

上川郡比布町北1線3号
TEL 0166-85-3306
●時間/10:00〜17:00※売り切れ閉店
●開園期間/5月下旬〜9月下旬 ※10月から新米販売開始
●定休日/無休(不定休有)

 

※掲載情報は、取材当時のものです。閲覧時点で情報が異なる場合がありますので、予めご了承ください。


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