北海道新聞 旭川支社 + ななかまど

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旭山動物園わくわく日記

全国的な人気を呼ぶ旭川市旭山動物園の話題やイベント、裏話などを紹介します。 旭山動物園ガイドとしてもお楽しみいただけます。 2020年3月までの記事はこちら


キタキツネ「なる」*保護され 仲間に育てられ

 東門周辺に、北海道内に生息する動物を飼育する「北海道小動物コーナー」がある。尾を含む体長が約1メートルで、赤茶と白のふさふさの毛が美しいキタキツネ「なる」(雄、推定5歳)は、東門に最も近い一角で暮らしている。

 冬場は、雪に覆われた大きな木の切り株の下、自分で掘った穴にいることが多い。飼育を担当する佐藤和加子さん(44)が近づいても穴から出ないことがある一方、気まぐれに姿を現して雪の中を動き回り、訪れた人をしげしげと眺めるようなしぐさも見せる。

 なるは2020年4月、生まれて間もなく目も開いていない状況で段ボールに入れられ、上川管内の道路脇に置かれていた。拾った近所の人は犬だと思って育てたが、成長するにつれてキツネの特徴が現れた。翌5月に相談を受けた旭山動物園が飼育を引き受けた。

 佐藤さんは、なるが園にやってきた当初からの担当。ミルクを与え、遊びにも付き合った。キツネとしての社会性は、23年に死んだ先輩の「える」(雄)と一緒に暮らして学んだ。

 佐藤さんは、なるの性質について「大きな話し声が苦手」と分析する。来園者が多いと姿を見せず、静かになった閉園後に穴から現れることも多い。

 キタキツネは旭川市街地でも見られる身近な動物でありながら、寄生虫エキノコックスの媒介動物として忌み嫌われる存在でもある。なるの解説板の近くにはエキノコックスを詳しく説明する板が設置されている。

 佐藤さんは「近くて遠い存在のキタキツネを、じっくりと見てほしい」と訴える。
(弓場敬夫)

 

【写真説明】雪山の上で来園者を見つめるキタキツネ「なる」(熊谷洸太撮影)
(2026年02月16日掲載)

 

※掲載情報は、取材当時のものです。閲覧時点で情報が異なる場合がありますので、予めご了承ください。


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