北海道新聞 旭川支社 + ななかまど

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旭山動物園わくわく日記

全国的な人気を呼ぶ旭川市旭山動物園の話題やイベント、裏話などを紹介します。 旭山動物園ガイドとしてもお楽しみいただけます。 2020年3月までの記事はこちら


「あにまる・ハッピー・マーケット」*野生動物の保全 周知の場に


 9月20、21日に「あにまる・ハッピー・マーケット」が今年も開催され、盛況のうちに無事終了いたしました。

 今年で6回目を迎えたこのイベントは、野生動物の保全を行っている団体に動物園で直接ガイドや接客をしてもらい、来園者の方にその活動自体をしっかりと理解してグッズを購入することで応援してもらうことを目的として実施しています。

 今年は2日間ともあまりパッとしない天候でしたが、例年のとおり多くの方に各団体の活動について理解し、応援してもらえたと思います。旭山動物園の公式SNSでも各団体の講演やガイドなどをアーカイブで視聴することができますので、ぜひご覧になっていただきたいと思います。

 このイベントの特徴は、不特定多数の来園者がある動物園で自分たちの活動を訴求することで、今後の活動にしっかりとつなげていくことができることです。

 通常だと興味や関心のある人しかその団体の情報や活動についてアクセスして情報を得ようとしませんが、動物園という場は動物に対し興味や関心が少なからずある人に対し訴求することで、多くの効果を得ることができます。

 実際に「こんな活動をしている団体があったんですね。これからも頑張ってください、応援してます!」といって、団体のオリジナルグッズを購入したり寄付をしてくださる方がたくさんいらっしゃいます。

 また、動物園としてもフィールドで実際に保全活動を行っている団体と交流を持つことで、新たな知見が得られたり、実際の保全の現場に足を運ぶきっかけとなり、より深く動物についての解説を園内で実施したり、飼育の現場での工夫などにもつながっていきます。

 動物園はただ「野生動物を近くで見ることのできる施設」ではなく、「野生動物もヒトも豊かに暮らすことができる共通の目標のための相互利用施設」として、さまざまな方々に動物園を活用してほしいと願っています。

 もちろん、全く関係のない営利目的のものはお断りですが、来園者、動物園、保全団体、野生動物の4者にとって良いこととなるこのような取り組みを、今後も試行錯誤しながら続けていきたいと考えています。(教育・保全担当 大内章広)
 
【写真説明】「あにまる・ハッピー・マーケット」の様子(旭山動物園提供)
(2025年10月06日)

 

※掲載情報は、取材当時のものです。閲覧時点で情報が異なる場合がありますので、予めご了承ください。


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