北海道新聞 旭川支社 + ななかまど

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どうほく談話室


旭川マンション管理組合連合会長 水島能裕さん(79)

増える老朽分譲マンション*役員高齢化 修繕準備に支障

 全国的に進んでいる老朽分譲マンションの増加が道北でも問題となっている。住民の高齢化も進み、大規模修繕や建て替えに支障が生じているケースが少なくない。分譲マンションの管理組合でつくるNPO法人旭川マンション管理組合連合会長の水島能裕さん(79)に、旭川市内の現状を聞いた。

 

 -市内にはどれくらい老朽マンションがありますか。
 「市が2023年に公表した分譲マンション管理状況調査報告書によると、市内219棟のうち築40年を超えるマンションは129棟で全体の58・9%に上りました。3年以上経過しているので現在は6割以上とみています」

 

 -北海道全体では。
 「同年公表の北海道マンション管理適正化推進計画によると、20年時点で築40年以上は15・6%でした。旭川市内は道内平均より大幅に老朽化が進んでいます」

 

 -なぜですか。
 「旭川でも1970年代からバブル期にかけてマンションブームがあり、中心市街地などで建設が進みました。その後、地価がさほど上昇せずに戸建て志向が強くなって増加ペースが鈍化し、マンションの新築は限られました。そのため築年数が長い物件の比率が高くなったとみています」

 

 -築年数が長いマンションの問題点は。
 「複数回の大規模修繕や建物撤去に向けて相当な資金の準備が必要です。しかし、管理組合は役員の高齢化が進み運営に支障が出ています。管理組合がない、あるいは機能していないマンションもあります」

 

 -分譲マンション関連の一括改正法が4月に施行されます。
 「従来、建て替えは区分所有者の5分の4、一括売却や取り壊しは原則全員の同意が必要でした。それが、耐震不足などの要件が認定されればいずれも4分の3の賛成で実行できるようになります。共用部の修繕などの決議では、総会に欠席し、議決権行使書や委任状を出さない人を決議の母数から除くことも盛り込まれました。それでも、所有者の高齢化や不在所有者の増大は著しく、問題が解決するとは思えません」

 

 -課題は多いですね。
 「適正な管理運営が行われないと、建物の一部崩落などの不慮の事故も起こりえます。マンション所有者や行政には、早急に手を打つべき問題だと認識してほしいです」(聞き手・弓場敬夫)

 

*取材後記

 分譲マンションの修繕積み立てや取り壊しといった重大な問題に、管理組合が適切に対応することが、築年数経過とともに難しくなっていることを思い知った。区分所有者は、購入時に間取りやローンについて吟味したのと同じく、大事な財産の経年変化について深く思慮することが求められている。

 

 みずしま・よしひろ 空知管内上砂川町生まれ。東北大卒。北海道電力に入社後、旭川で勤務し、1974年に市内のマンションを購入した。2024年3月から現職。旭川マンション管理組合連合会には現在、63のマンション管理組合が加入している。

 

※掲載情報は、取材当時のものです。閲覧時点で情報が異なる場合がありますので、予めご了承ください。


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