北海道新聞 旭川支社 + ななかまど

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旭山動物園わくわく日記

全国的な人気を呼ぶ旭川市旭山動物園の話題やイベント、裏話などを紹介します。 旭山動物園ガイドとしてもお楽しみいただけます。 2020年3月までの記事はこちら


アライグマ「しんしん」*人間の都合で害獣扱い


 雪の下にできた穴に入り、来園者の発する声にも反応せず、じっとしているアライグマ「しんしん」(雄、推定2歳)。動きの少なさとは対照的に、身体能力は高い。

 飼育担当の佐藤和加子さん(45)が朝、ペレット(固形飼料)を地面から1メートル以上ある飼育舎の出窓に置くと、ジャンプしてから器用によじ登る。

 しんしんは2024年3月、旭川市内で捕獲された。当初はバックヤードで飼育され、間もなく先輩アライグマ「もり」(雄、当時推定13歳)が死に、もりがいた北海道産動物舎へ移った。

 北海道産動物舎にいるのは、エゾタヌキとの違いを知ってもらうため。尾にしまがあり、足が人の手の形に近いのはアライグマ、尾にしまがなく手足に肉球があるのはエゾタヌキだ。

 「成獣になるまで野生で暮らしていたので、当初は警戒心が強かった」(佐藤さん)が、少しずつ園の暮らしに慣れてきたという。

 現在は鶏肉、馬肉、ホッケなど1日1回250グラムほどを食べる。運動量の違いからか、体重は秋から冬にかけては10キロほど、春になると8キロほどになるという。

 アライグマの原産は北アメリカ。1970年代の人気アニメ「あらいぐまラスカル」の影響で、ペットとして多数輸入された。だが成長すると凶暴になることが多く、放棄されて野生化し、農作物などを食い荒らすため「特定外来生物」に指定されている。旭川市によると、2025年度は市内で3月1日までに846匹が捕獲され、ほとんどが殺処分されている。

 佐藤さんは「アライグマの食害は人間が生み出したということも考えてほしい」と訴える。(弓場敬夫)
 

【写真説明】北海道産動物舎にいるアライグマ「しんしん」
(2026年03月23日掲載)

 

※掲載情報は、取材当時のものです。閲覧時点で情報が異なる場合がありますので、予めご了承ください。


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