北海道新聞 旭川支社 + ななかまど

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旭山動物園わくわく日記

全国的な人気を呼ぶ旭川市旭山動物園の話題やイベント、裏話などを紹介します。 旭山動物園ガイドとしてもお楽しみいただけます。 2020年3月までの記事はこちら


今こそエゾシカ*北海道の自然と向き合う

 これは2026年元旦に撮影したエゾシカの写真です。気温は氷点下8度。とても寒い厳冬の朝でしたが、エゾシカたちはいつもと変わらず、凜(りん)とした姿で暮らしていました。その姿を見て、冷たい空気に身を包みながら、私自身も「今年は挑戦の年にしよう」と気持ちが引き締まったことを覚えています。

 今年、私はエゾシカを通じた動物園教育の取り組みを一つの形にするという目標を持っています。

 昨年は、全国でクマが人里に出没し、ニュースで連日報道されました。「今年の漢字」が「熊」になったことからも分かるように、野生動物と人との関係を見直す大きな節目の年だったといえるでしょう。しかし、問題はクマだけではありません。エゾシカをはじめ、多くの野生動物が人の生活圏に近づき、農林業被害や交通事故など、さまざまな課題が生まれています。そこに温暖化などの地球環境問題も重なり、状況はますます複雑になっています。

 エゾシカも、自然や人の暮らしに影響を与える存在です。一方で、肉や毛皮、角は昔から大切な資源として利用され、今では食やファッション、観光など新しい可能性も広がっていますし、自然生態系の重要な担い手でもあります。エゾシカを学ぶだけで、環境問題や文化など幅広い分野を学ぶことにもつながります。

 そして何より、エゾシカは美しく、力強く、かわいらしい北海道の動物です。人の役に立つかどうかに関係なく、存在そのものが素晴らしい。北海道の自然と向き合う入り口として、エゾシカを一緒に見つめ、皆さんと考えていきたいと思います。

 そのために、旭山動物園では、3月22日に「エゾシカアップデート2026」というイベントを開催します。野生のエゾシカに会いに行き、保全について考え、行動するイベントです。ぜひ、私たちと一緒に楽しみながら学んでみませんか。詳細は動物園のホームページをご覧ください。(エゾシカ担当 上江昌弘)

  

【写真説明】旭山動物園で飼育するエゾシカ
(2026年02月02日掲載)

 

※掲載情報は、取材当時のものです。閲覧時点で情報が異なる場合がありますので、予めご了承ください。


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