北海道新聞 旭川支社 + ななかまど

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旭山動物園わくわく日記

全国的な人気を呼ぶ旭川市旭山動物園の話題やイベント、裏話などを紹介します。 旭山動物園ガイドとしてもお楽しみいただけます。 2020年3月までの記事はこちら


シロテテナガザル*「ミール」来園 お見合い成功

 シロテテナガザルの「ミール」が来園しました。

 旭山動物園では元々は、雌のモンローと雄のテルテルをペアで飼育しており、2頭の雄の子どもの繁殖に成功していました。しかし、テルテルが2021年に死亡し、子どもたちも成長して他の動物園に移動したため、24年11月からはモンロー単独での生活となっていました。

 ただ、本来テナガザルは家族単位で生活する動物です。モンローも16歳とまだ若いため新しいペア相手を探していたところ、7月3日に神戸市立王子動物園より雄のミール(9歳)が来園することになりました。

 とはいえ新しいペアの場合、いきなり同居となると闘争によりケガをすることもあるので、慎重にお見合いを進める予定でした。来園翌日からは2頭が一緒の部屋にならないように、日中モンローは屋外、ミールは屋内展示場で過ごしてもらいました。すると、モンローはガラス越しに屋内展示場をのぞき込みミールに興味津々、ミールも新しい環境に慣れ落ち着いた様子でした。来園5日目に直接手が届かない網越しのお見合いに進むと、2頭ともじっくり相手を観察した後に、大きな鳴き声でコミュニケーションをとりました。野生でもテナガザルは歌うような鳴き声でコミュニケーションをとります。

 ここまでの段階を踏んだお見合いで問題はなかったので、7日目には思い切って屋内展示場で一緒にしたところ興奮する様子もなく、数時間後には毛づくろいをするなど長年のパートナーのような姿に私たちも拍子抜けしつつも安心しました。

 その後、屋外展示場に出た際も、夕方室内に戻る時にモンローがミールを引っ張って移動を促すなど、モンローがうまくリードしてくれています。

 このままうまくいき、子どもが生まれ、新しい家族になっていってくれることを皆さんで見守っていただければ幸いです。
(飼育展示担当、獣医師 中村亮平)

【写真説明】旭山動物園に新たに仲間入りしたシロテテナガザルのミール(左)とペアのモンロー
(2025年08月04日掲載)

 

※掲載情報は、取材当時のものです。閲覧時点で情報が異なる場合がありますので、予めご了承ください。


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