北海道新聞 旭川支社 + ななかまど

北海道新聞 旭川支社 + ななかまど

旭山動物園わくわく日記

全国的な人気を呼ぶ旭川市旭山動物園の話題やイベント、裏話などを紹介します。 旭山動物園ガイドとしてもお楽しみいただけます。 2020年3月までの記事はこちら


アムールヒョウの子ども*脚負傷でもすくすく成長


 昨年8月に旭山動物園で生まれたアムールヒョウの雌の子どもが、けがをしながらもすくすくと成長している。同園でアムールヒョウの子どもが誕生したのは、母親のみらい(雌、7歳)が生まれた2017年以来。現在は子どものけがの様子を見ながら展示している。

 デン(雄、3歳)とみらいの間に生まれた。昨年11月に初めて一般公開し、ケージ内の擬岩がお気に入りの場所だ。だが、公開後、数日たった時、飼育担当者が脚を引きずっていることに気づいた。右後ろの大腿(だいたい)骨を骨折していた。

 治療は無事に終わり、今年1月に再び展示を始めた。しかし、骨折した脚を引きずっていた影響で肉球とかかとにけがを負い、屋外とバックヤードを行き来する生活を送っている。飼育員の若山晃暉さん(25)は「安静にするのが難しいほど、体力が有り余っている」と明かす。

 若山さんによると、アムールヒョウは群れをつくらない。子どもが母親のミルクを飲むのは最初の数カ月だけで、その後は肉を主食としている。子どもが生殖が可能になる2歳くらいまでは、みらいとともに展示する予定だ。

 父親のデンは子育てには関わらず、今後も一緒に展示することはない。若山さんは「私たちは環境をつくるだけ。子育てはみらいに任せている」と話す。

 けがの治療の関係で、子どもは1週間以上バックヤードにいることもある。運が良ければ親子でじゃれあい、お互いにほえて呼び合う姿を見ることができる。募集していた子どもの愛称は、6月下旬以降に発表する予定。若山さんは「2頭が子どもらしく、母親らしくいる姿は見ていて飽きない」と優しいまなざしで見つめる。
(池田有珠)

【写真説明】お気に入りの擬岩の上でくつろぐアムールヒョウの子ども
(2025年06月23日)

 

※掲載情報は、取材当時のものです。閲覧時点で情報が異なる場合がありますので、予めご了承ください。


GO TOP