旭山動物園わくわく日記
全国的な人気を呼ぶ旭川市旭山動物園の話題やイベント、裏話などを紹介します。 旭山動物園ガイドとしてもお楽しみいただけます。 2020年3月までの記事はこちら
冬のマヌルネコ*体形を変え環境に適応
まんまるな姿でこちらを見つめてくるネコがいます。世界最古のネコともいわれている「マヌルネコ」です。日本の動物園では7園でしか飼育しておらず、旭山動物園で初めて見たという方も多いのではないでしょうか。
野生では、シベリア南部や中国、アフガニスタンなどに生息しています。人が寄りつかないような標高の高い場所に暮らしており、夏は暑く、冬は氷点下40度にもなる過酷な環境に、彼らは体毛や体形を変化させることで適応しています。
夏毛のマヌルネコは、ふわふわの冬毛をまとった時と比較してかなりほっそりとした見た目になります。動物園では主に鶏肉を与えているのですが、秋から冬にかけて食欲はどんどん増していき、体重も2キロ近く増加します。このまんまるな見た目は、旭川の冬に適応するための姿であり、本来のマヌルネコらしい体形でもあります。
皆さんになじみのあるイエネコとも違う独特な見た目。来園の際には、イエネコと異なる点に注目してみると面白いかもしれません。
特徴のひとつは顔つきです。目と耳が横並びになり、横に幅広い顔をしています。彼らは待ち伏せをして狩りをするのですが、生息地に多い岩場で隠れやすいよう、横一直線の顔立ちになったといわれています。また、主に視覚からの情報を頼りとしているので、何か気になることがあると鋭い目でじーっと見つめることがよくあります。
次に動きです。コマ送りのようなカクカクとした動きや、動き出しては止まり周囲を確認してまた動き出す、といった他のネコ科の動物には見られない独特の動きをします。
隣の獣舎で、レッサーパンダが活発に動き回る様子と併せて、夏と冬で異なる姿を見せるマヌルネコを一度見に来ていただけるとうれしく思います。
(レッサーパンダ舎、マヌルネコ舎、タンチョウ舎担当 土井尚哉)
【写真説明】冬になり、まんまるな姿になったマヌルネコ
(2025年02月17日掲載)
※掲載情報は、取材当時のものです。閲覧時点で情報が異なる場合がありますので、予めご了承ください。