旭山動物園わくわく日記
全国的な人気を呼ぶ旭川市旭山動物園の話題やイベント、裏話などを紹介します。 旭山動物園ガイドとしてもお楽しみいただけます。 2020年3月までの記事はこちら
チンパンジー*顔も性格も「十一人十一色」
チンパンジーはわたしたちヒトに最も近い動物です。彼らの表情を見ていると、やりたいことに対して、周りの状況を確認して行動しているのが分かります。旭山動物園では1歳から50歳までの雄5頭、雌6頭の計11頭を飼育していますが、「十人十色」ならぬ「十一人十一色」といえます。
チンパンジーは数十頭から100頭ほどの群れをつくり「離合集散」といってグループのメンバーがその時々でかわる暮らし方をしています。
旭山動物園の雄のグループは二つに分かれており、リーダーはピースケ(23歳)とキャロ(16歳)です。体はがっちりとした筋肉質で、体毛を逆立て暴れたり叫んだりと誇示行動で力をアピールします。集団で生活するため、雌や子どもたちとコミュニケーションがとれることも、リーダー役として認めてもらえる条件です。弟分のコースケ(16歳)、ハルキ(11歳)、ガッツ(9歳)もだんだんと力をつけて成長していますので、今後リーダー争いがあると思われます。
一方、雌のグループは時にけんかをしますが、協力して子育てするなど愛情ある姿が印象的です。1歳のエレンは好奇心が出てきて、頼もしい姿を見せています。独り立ちする4、5歳までは母乳も飲むまだまだ赤ちゃん。母親のフルト(44歳)が娘イブ(34歳)の協力も得て育児をこなしています。チロ(45歳)と娘のニナ(11歳)は固い絆で結ばれほほ笑ましい親子。お年頃のニナはエレンのお世話もして立派なお姉さんです。最高齢のミコ(50歳)は最近、食欲旺盛で体もふっくらしてきた印象で元気いっぱいです。
飼育下50年と長寿なチンパンジーたち。顔も性格も違うのでまさに「十一人十一色」。名前と顔が分かれば「あの子はどうしているかなぁ」と楽しめます。ぜひ会いに来てください。
(ちんぱんじー館担当 高井正彦)
【写真説明】元気いっぱいのエレン。飼育する11頭それぞれに個性があります
(2025年01月13日掲載)
※掲載情報は、取材当時のものです。閲覧時点で情報が異なる場合がありますので、予めご了承ください。