北海道新聞 旭川支社 + ななかまど

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旭山動物園わくわく日記

全国的な人気を呼ぶ旭川市旭山動物園の話題やイベント、裏話などを紹介します。 旭山動物園ガイドとしてもお楽しみいただけます。 2020年3月までの記事はこちら


エゾモモンガの成長*母の愛受け3匹すくすく

すくすくと育つエゾモモンガの子どもたち=10月15日
 
 エゾモモンガ舎で3匹の子どもがすくすくと育っている。巣箱の中で産まれているのを飼育員が8月1日に確認。3カ月近くたった今では、親たちに交じり元気に木の枝を走り回る姿を見ることができる。

 子どもたちの父親は「ウトナ」、母親は「べに」。別の雌の「おはぎ」も合わせた6匹で暮らす。産まれたときは体長約3センチだった3匹だが、頭からお尻まで15センチほどある親よりも一回り小さい程度にまで成長した。

 エゾモモンガは雌が子育てを行う。べには巣箱の中で授乳などして3匹を育てた。子どもたちは生後40日ほどで巣箱から顔を出して様子を見るようになり、50日ほどで外へ出るようになった。

 当初、エゾモモンガの繁殖を記憶している職員はおらず、同園で初めてかと思われた。だが、記録を調べたところ過去にも例があり、19年ぶりだという。

 エゾモモンガの特徴といえば、滑空すること。木の高いところからジャンプし、前足と後ろ足の間の飛膜を広げ下降気味に飛ぶ。羽ばたきはしない。飼育担当の桜井結夢さん(26)は「紙飛行機のようなイメージ」と話す。

 瞳が大きいのも特徴。夜行性で、少しの光でも取り込むためだ。エゾモモンガ舎は、来園者が活発な姿を観察できるよう、昼夜を逆転した施設になっている。開園中は暗い中で暖色系のライトをうっすらつけており、樹上で走り回る様子を楽しむことができる。外が暗くなるころ、舎内は照明で明るくなる。

 子ども3匹はまだ名前がなく、飼育員が決める予定だ。桜井さんは「北海道に関連があり、3きょうだいらしい名前にしたいが、なかなか浮かばなくて」と、頭を悩ませている。
(葉柴陵晴)

生後5日ほどのエゾモモンガ=8月5日(いずれも旭山動物園提供)

(2024年10月21日掲載)

 

※掲載情報は、取材当時のものです。閲覧時点で情報が異なる場合がありますので、予めご了承ください。


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