北海道新聞 旭川支社 + ななかまど

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旭山動物園わくわく日記

全国的な人気を呼ぶ旭川市旭山動物園の話題やイベント、裏話などを紹介します。 旭山動物園ガイドとしてもお楽しみいただけます。 2020年3月までの記事はこちら


ぺんぎん館のプール*水道水ろ過 餌の魚に塩

 野生下のペンギンは、餌をとるために海で一生の半分以上を過ごすといわれていますが、旭山動物園の「ぺんぎん館」のプールの水は水道水です。立地上、動物園では淡水、水族館では海水か、海水と淡水の混じった汽水で飼育しているところが多いと思います。どちらであってもペンギンの飼育にはあまり影響はないようですが、水質は清潔に保つことが重要です。ぺんぎん館のバックヤードには大きなろ過装置があり、機械の故障がない限り、プールの殺菌とろ過を止めることはほとんどありません。

 ぺんぎん館は9月にオープンから25年目を迎えます。実は、これまでろ過装置のあらゆる箇所で故障がありました。その都度、仕組みを少し変えたり、機械を新しくしたりしてきました。最近では凝集剤(水中のごみを取る薬)を自動で供給するタイマーが故障し、プールに薬が入りすぎた日がありました。私の記憶ではこのタイマーの故障は初めてです。ろ過システムの中で故障していない箇所は、これでもうないのかも。日常の機械の世話(?)も飼育スタッフの仕事の一部です。ペンギンの健康維持のため、これら機械の異変にもすぐに気が付けるようにならなければいけません。

 さて、野生下のペンギンが食べているのは当然ながら海で捕まえる魚などです。餌と一緒に海水も飲み込むでしょう。旭山動物園では、淡水での飼育のためミネラル不足にならないように、餌の魚に塩を塗って「もぐもぐタイム」の時に与えています。ペンギンは余分な塩分は鼻から出せるのでご心配なく。窓ガラスが白く汚れているときは、ペンギンの鼻水と思って間違いありません。ペンギンに塩を与えるようにしてから、窓がすぐに汚れるようになりました。(ぺんぎん館担当 田中千春)

【写真説明】プールの水は目視で透明度も確認します
(2024年09月02日掲載)

 

※掲載情報は、取材当時のものです。閲覧時点で情報が異なる場合がありますので、予めご了承ください。


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