北海道新聞 旭川支社 + ななかまど

北海道新聞 旭川支社 + ななかまど

今週の一枚


美瑛、上富良野*十勝岳 美しく厳しく*山開き 強風で登頂断念も


 【美瑛、上富良野】十勝岳(2077メートル)で6月16日に行われた山開き登山会では、参加者は道中、激しい強風に見舞われ、慎重に歩みを進めた。山頂までは到達できなかったものの、時折の晴れ間には、眼下に広がる眺望を望むことができ、夏山シーズンの幕開けを喜んだ。

 登山会は美瑛、上富良野両町の観光協会や山岳会などの主催。美瑛側では望岳台で開山式を行った後、25人が出発した。硫黄がかすかに香る中、岩が積み重なる険しいガレ場を1列になって進んだ。

 3時間かけて標高約1700メートル付近のすり鉢火口に到着したが、強風で登頂を断念。山頂で上富良野側からの登山者と、斧(おの)を交換する恒例の儀式も中止となった。

 旭川市のパート社員、丸山みゆきさん(59)は「途中まで息切れするほどしんどかったが、山岳会の人が教えてくれた呼吸法で乗り越えられた。次は山頂まで行きたい」と笑顔で話した。

 下山後、美瑛山岳会会長の三浦陽一さん(71)は「無事に終えられてよかった。今後も装備や計画はしっかり準備して登山を楽しんでほしい」と話した。

 上富良野側では山開き前日の15日に十勝岳温泉凌雲閣前の駐車場で安全祈願祭を行い、関係者約40人が無事故を祈った。

 引き続き、上富良野十勝岳山岳救助警備隊や富良野署などが山道の整備を実施。角波光一隊長(64)は「景色を見てゆっくり楽しんでもらえるよう、山道を安全に保ちたい」と話した。(川上舞、東桜子)
 
【写真説明】(上)眼下に美瑛や上富良野、富良野の町を望みながら、美瑛側から山頂を目指す参加者ら(熊谷洸太撮影)
(2024年06月17日掲載)

 

※掲載情報は、取材当時のものです。閲覧時点で情報が異なる場合がありますので、予めご了承ください。


GO TOP