北海道新聞 旭川支社 + ななかまど

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旭山動物園わくわく日記

全国的な人気を呼ぶ旭川市旭山動物園の話題やイベント、裏話などを紹介します。 旭山動物園ガイドとしてもお楽しみいただけます。 2020年3月までの記事はこちら


北海道産いきもの保全プロジェクト*8施設が連携 飼育情報共有


 北海道にはたくさんの野生動物がいて、国内でも北海道だけに生息している種もいます。エゾヒグマ、キタキツネ、エゾモモンガ、エゾサンショウウオなどなど。鳥の仲間ではシマエナガやミヤマカケスなど本州にいる種とは別亜種となるものもいます。ふだんあまり気にしていなくても、私たちの日々の暮らしの中には、たくさんの生き物たちがいるのです。

 旭山動物園では北海道にいる動物の飼育にも力を入れており、近年、関連施設を充実させてきました。実は飼育している北海道の動物たちの多くは「保護」で来園した個体。けがや病気だったり、子どもが親とはぐれたりして動物園に持ち込まれることが多いのです。ときには「納屋を壊したら、巣があった」「交通事故で亡くなった親の傍らに子どもがいた」というヒトの活動の影響によって保護されるケースもあります。

 地元の動物とはいえ、動物園・水族館で飼育されていない種がいたり、どんな暮らしをしているかがまだまだ分かっていないことが多い種もいたりします。北海道の固有種は道内の動物園・水族館でしか飼育されていない場合も多く、飼育下での種の維持が難しいという一面もあるのです。

 北海道には日本動物園水族館協会(東京)に加盟している動物園・水族館が8施設あります。しかし、今までは地元動物に特化して飼育に関する情報や保護の情報などを共有することはほとんどありませんでした。

 そこで昨年、北海道の野生動物たちを守り、魅力を広く伝えるために道内8施設で協力して活動する「北海道産いきもの保全プロジェクト」を始めました。活動はまだ始まったばかりですが、北海道産動物の飼育状況のデータベースづくり、新規保護個体の情報共有など、できることから少しずつ行っています。今後は複数施設でのライブ配信やイベント開催を予定しています。皆さんに楽しんでいただきつつ、活動を知り、応援していただけるとうれしいです。
(サル舎、キツネ・タヌキ担当 佐藤和加子)

【写真説明】道内で保護され、旭山動物園に来たエゾタヌキ
(2023年8月7日掲載)

 

※掲載情報は、取材当時のものです。閲覧時点で情報が異なる場合がありますので、予めご了承ください。


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