旭山動物園わくわく日記
全国的な人気を呼ぶ旭川市旭山動物園の話題やイベント、裏話などを紹介します。 旭山動物園ガイドとしてもお楽しみいただけます。 2020年3月までの記事はこちら
キリン親子*同居をはじめました
お父さんキリン「ゲンキ」と子どもの雄「あさひ」が夏期開園から同居しています。今まではワイヤで隔てて2頭を展示しており、行き来はできませんでした。同居により放飼(ほうし)場を広く使うことができるため、飼育下で不足しがちな運動量が増え、同じ空間で生活し距離感が近くなりお互いに刺激を与えるなどのメリットもありますが、ゲンキがあさひを攻撃して傷つける恐れもありました。そのため、閉園期間中に何度か短時間で同居をし、安全を見極めた上で今回の実施となりました。
現在、不安視していたような動きはなく、落ち着いた様子で写真のような程よい距離感で生活しています。また2頭は放飼場の端から端までを行き来するなど、活発に動き、運動量は大幅に増えています。
以前は2頭がワイヤ越しに頭をこすり合わせるといったコミュニケーションがよくありましたが、今はまだ、ゲンキがあさひに近づくとささっと距離をとられてしまうことが多いです。あさひが慣れるまでもう少し時間がかかりそうです。
今回、2頭の距離が近くなり、大人と子どものキリンの特徴の違いがより間近で観察できるようになりました。まず2頭は顔つきと体の色が大きく違います。ゲンキは体が黒っぽくいかにも雄という見た目。これに対し、あさひは体が白っぽく、顔立ちもきれいなのでよく来園者の方から雌キリンと間違われます。体の色はそれぞれのキリンの個性ということになりますので雌雄の区別にはなりません。雌雄は頭に注目すると区別できます。子どもの雄の頭は雌と同様につるっとしていて見分けがつきにくいのですが、成長とともに雄の頭だけゴツゴツしていき、どんどん重くなります。雄の頭は武器としての役割があり、頭が重い方が争う際に有利で、より強い雄になると考えられています。
今後、ゲンキとあさひの距離が縮まることに期待しつつ、親子の同居を温かく見守っていただけるとうれしいです。(きりん舎・タンチョウ舎担当 土井尚哉)
【写真説明】同居を始めたキリンの父子、ゲンキ(左)とあさひ
(2023年6月19日掲載)
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