今週の一枚
新庄監督に旭川製椅子*新球場のベンチに2脚*家具メーカー*売り込み実る
【旭川】プロ野球北海道日本ハムの新球場「エスコンフィールド北海道」(北広島)の一塁側ベンチに10月21日、新庄剛志監督専用の木製の椅子2脚が設置される。旭川市の家具メーカー「ワカサ」の売り込みがきっかけとなり、商品納入が実現した。(鳥潟かれん)
椅子は道産タモ材を使用しており、高さは約1・8メートルある。新庄監督の身長に合わせて高くしたという。監督の要望に応じて、赤や金、黒色を、接続部分などにあしらっている。前部にも木材を取り付け、立ったままで、もたれることができるようにした。
ワカサ社長の若狭弘典さん(47)によると、昨年12月に新球場の運営会社「ファイターズスポーツ&エンターテイメント」(FSE、札幌)に電子メールで、試合などで折れたバットでテーブルを作れないかと、デザイン案を送ったのがきっかけ。
若狭さんには苦い思い出があった。2020年、新球場に旭川の家具製造の技術を生かそうと、道内外5社の共同企業体をつくり、内装のコンペに参加。落札したが、役割分担などを巡って共同体で内部衝突し、他の事業者が肩代わりする事態となった。そうした中、デザインを売り込む気概がFSEに認められて、椅子の注文が舞い込んだ。
デザインは、ファイターズの頭文字Fを用いたものなど11案を提案し、新庄監督に好みのものを選んでもらった。椅子はベンチの両端に設置されるという。
若狭さんは「新庄監督に気に入ってもらえてようやく(椅子は)完成する。旭川家具に興味を持つ人が増えたらうれしい」と期待する。
【写真説明】新庄監督専用の椅子を前に、「木質が全面に出ているところが旭川家具らしいと思う」と語る若狭弘典さん=10月20日、旭川市(宮永春希撮影)
(2022年10月21日掲載)
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