今週の一枚
十勝岳防災訓練 秋の噴火に備え
【美瑛】十勝岳(2077メートル)の噴火に備えた防災訓練が9月9日、上川管内美瑛町で行われた。防災訓練は毎年2月に厳冬期の噴火を想定して行っているが、積雪がない秋の噴火にも備えようと、初めてこの時期に実施した。
十勝岳周辺の美瑛町、同管内上富良野町などでつくる十勝岳火山防災協議会の主催で約70人が参加。新型コロナウイルス感染拡大のため、住民の参加は2月の訓練に続き見送った。
訓練は、2014年9月の御嶽山(岐阜、長野県)噴火のような突発的噴火が発生し、登山者にけが人が出たと想定。美瑛町の十勝岳火山砂防情報センターに「合同調整所」を設置し、関係機関の担当者がけが人の情報などを集め、現場と無線でやりとりした。
現場の十勝岳中腹にある望岳台では、開発局が小型無人ヘリコプター、美瑛町と陸上自衛隊が小型無人機ドローンを使い、上空から状況を確認。続いて、道警旭川方面本部、陸自第2師団、大雪消防組合美瑛消防署の計16人が山を登り、約30分かけて現場に到着、けがをした登山者を救助した。
上富良野町基地調整・危機管理室の斉藤通室長は「関係機関が意思疎通を図ることができた。協議会で課題を検証したい」と話した。厳冬期の防災訓練は例年通り、来年2月に行う。(仁科裕章)
【写真説明】十勝岳の中腹で、けがをした登山者の救出訓練に取り組む消防隊員ら=9月9日、美瑛町(諸橋弘平撮影)
(2022年9月10日掲載)
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