北海道新聞 旭川支社 + ななかまど

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旭山動物園わくわく日記

全国的な人気を呼ぶ旭川市旭山動物園の話題やイベント、裏話などを紹介します。 旭山動物園ガイドとしてもお楽しみいただけます。 2020年3月までの記事はこちら


命の輝き 伝える工夫*歌を自作 動物との懸け橋に

 「伝えるのは命」。旭山動物園の永遠のテーマです。動物たちのありのままの姿、素晴らしい能力を引き出すための施設や展示の工夫、飼育員による「もぐもぐタイム」「なるほどガイド」、手書き看板、裏側ガイドや出張授業などの教育活動、動物たちのふるさとを守る環境保全の取り組み―。すべて命の輝きを伝える手段で、野生動物と皆さんをつなぐ懸け橋です。旭山動物園は園長をはじめ飼育員全員で知恵を絞り、どうしたら命の尊さを伝えることができるか、いつも考えています。

 私も動物園で働き始めてからいろいろ考えました。誰もやったことがない方法で、お客さんと動物をつなぐことができないか考えて思いついたのが「歌で動物を伝える」という方法でした。歌は子どもから大人まで身近なものです。飼育員の解説や図鑑の記述をそらんじるのは難しくても、歌詞を覚えて口ずさむことはできます。動物を紹介する歌詞を覚えやすいメロディーに乗せて歌えば、いろんな人たちが動物に興味を持ってくれる。そう考え、2018年夏から曲を作り始め、最初は園内のイベントで歌っていました。

 しかし、コロナ禍でイベントが中止になり、歌う機会がなくなってしまいました。動物園に行きたいけれど行けない、という声も多く聞くようになり、考えたのが会員制交流サイト(SNS)の活用です。旭山動物園の動物たちの映像と歌をSNSで公開すれば、動物園に来られない人たちにも魅力を届けられるのでは。そんな思いから、21年2月に「ぺんぎんのうた」、5月に「ほっきょくぐまのうた」、9月に「かばのうたを公開しました。どれも聴くとその動物が気になる内容です。歌詞や動物の解説テキストも公開しているので、聴きながら解説を読めば、その動物についてより深く知ることができます。

 これからも動物たちの魅力を伝えるため、たくさん曲を作って歌っていきます。私の曲が皆さんと動物たちをつなぐきっかけになってくれたらうれしいです。(教育活動担当 鎌上塁)

 

【写真説明】旭山動物園のカバの親子。「かばのうた」は、歌詞で「水の中にいるのはお肌がひび割れないように」などと教えてくれる
(2021年10月10日掲載)

 
 

 

※掲載情報は、取材当時のものです。閲覧時点で情報が異なる場合がありますので、予めご了承ください。


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