北海道新聞 旭川支社 + ななかまど

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旭山動物園わくわく日記

全国的な人気を呼ぶ旭川市旭山動物園の話題やイベント、裏話などを紹介します。 旭山動物園ガイドとしてもお楽しみいただけます。 2020年3月までの記事はこちら


ジェンツーペンギン*好奇心旺盛 お散歩の人気者


 
 冬の恒例行事「ペンギンの散歩」で、キングペンギン十数羽に交じり、1羽だけ小柄な体格で目を引くのがジェンツーペンギンだ。好奇心旺盛で、散歩中に群れを飛び出して寄り道したり、雪の上を腹ばいで滑ったりして飼育員を困らせる。自由気ままな行動は魅力的で、来園者の人気を集めている。
 3月18日の散歩でも主役を演じた。キングペンギンの群れに1羽だけ交じり、序盤は先頭の後ろを歩いて集団行動を守っていたものの、途中でコースから飛び出し、近くの雪の坂を上り始めた。飼育員が「置いていっちゃうよー」と声を掛けても知らんぷり。15分ほど遊んだ後、慌てて群れに戻ると、今度はダッシュで先頭に追い付き、1位でゴール。来園者を笑わせた。
 動物園で飼育する4種類のペンギンの中でも運動神経は抜群だ。陸上を時速10キロで走り、水中では同35キロで泳ぐことができる。両目をつなぐカチューシャのような白い模様と黄色い足が特徴で、動物園には3羽いる。
 「自分勝手に見える行動は、好奇心にあふれ、人への警戒心がないことの現れです」と飼育担当の田中千春さん(47)。集団行動が苦手なのではない。群れの仲間と近い距離で行動するキングペンギンに比べ、「見える範囲なら、仲間とちょっと離れたって問題ない」と感じているようだ。
 毎日2回、午前と午後に行われる散歩に参加するかどうかも気まぐれで、ジェンツーペンギンを目当てに待ち構えるファンたちを焦らせる。キングペンギンは散歩の時間になると、展示施設の出入り口に整列するが、ジェンツーペンギンは気分が乗らないと参加せず、コースの途中で引き返すことも。18日も約2週間ぶりの出演だった。
 ペンギンの散歩は冬場の運動不足解消を目的に、積雪がなくなる今月末ごろまで行われる予定。田中さんは「展示施設の中では目立たなかったジェンツーペンギンが、散歩で活躍できてうれしい。キングペンギンとは違う習性を楽しんでほしい」と話している。(若林彩)
 
【写真説明】自由気ままな行動で散歩を盛り上げるジェンツーペンギン(手前右)=2020年12月20日、打田達也撮影
(2021年3月21日掲載)

 

※掲載情報は、取材当時のものです。閲覧時点で情報が異なる場合がありますので、予めご了承ください。


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