北海道新聞 旭川支社 + ななかまど

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旭山動物園わくわく日記

全国的な人気を呼ぶ旭川市旭山動物園の話題やイベント、裏話などを紹介します。 旭山動物園ガイドとしてもお楽しみいただけます。 2020年3月までの記事はこちら


シロテテナガザル*雪食べたり暖をとったり


 

 皆さん、厳しい冬をどのようにお過ごしでしょうか。マスクが必需品となって、はや1年。私は昨年から旭山動物園の飼育員になり、怒濤(どとう)の日々を過ごしています。気がつけば冬本番でびっくりです。また皆さんと交流できるようになった際は、笑顔でお迎えできるよう、日々精進して参ります。
 前置きはさておき、今回はシロテテナガザルについてお話ししたいと思います。シロテテナガザルはその名の通り、長い腕を持ち、サルの仲間の中でも特に運動能力にたけています。
 皆さんの中にも、類人猿に会うために来園される方も少なくないのではないでしょうか。シロテテナガザルを観察していると、時間がいくらあっても足りません。当園では父、母、子の3頭を飼育していますが、それぞれ個性豊かで、毎日新しい発見があるからです。
 彼らが生息するのは温かい東南アジア。旭川の真冬は、彼らにとっては厳しすぎるので、普段は室内展示場で過ごしています。そのため、夏によく見られる活発に動きまわる姿はなく、園内に響きわたる独特な鳴き声も聴くことはできません。
 ですが、気温がプラスの時間帯には、運動や気分転換を兼ねて屋外で過ごしています。そんな日には、興味深そうに雪を食べる子ザルや、澄んだ空気の中、ヒーターで暖をとる親ザルなど、雪国ならではの行動も見られるかと思います。
 「SNS(会員制交流サイト)で見てるよ~!」と声をかけていただくこともあり、大変うれしく思っています。シロテテナガザル以外の動物たちも、インスタグラムなどで続々配信していますので、ぜひそちらもお楽しみください。
 園内では、展示動物だけではなく、エゾリスやエゾユキウサギなどの“野生動物”にも出会うことができます。この厳しい寒さの中、命を育んでいる彼らのたくましさを見習おうと、背筋がシャキッと伸びます。
 スタッフはかわいらしい雪像作りにも奮闘中です。皆さん心置きなくご来園いただき、楽しめる日を心待ちにしています。
(フクロウ・シロテテナガザル・キョン担当 荒木地真美)
 
【写真説明】興味深そうに雪を食べようとするシロテテナガザル
(2021年2月7日掲載)

 

※掲載情報は、取材当時のものです。閲覧時点で情報が異なる場合がありますので、予めご了承ください。


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