北海道新聞 旭川支社 + ななかまど

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スポーツ


35*「今できること」考えよう

バンクーバーパラリンピックのアイススレッジホッケー銀メダリストで北海道新聞パラスポーツアドバイザーを務める永瀬充さんが道北地域の障害者スポーツをテーマに語ります。
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 コロナ禍の新しい生活様式で、職場以外で働く「テレワーク」や、自宅でビデオ通話しながら食事やお酒を楽しむ「リモート飲み会」が広まっている。テレビでもリモート出演が多く、アスリートもビデオ会議アプリ「Zoom(ズーム)」や、動画投稿サイト「ユーチューブ」を使いメッセージを配信している。
 私も4月からウェブ会議システムをよく使うようになった。きっかけはパラリンピック出場選手でつくる日本パラリンピアンズ協会の理事会だった。全国各地から集まって年数回、会議を開いていたが、外出自粛のためウェブ会議に切り替えた。パソコンは不得意ではないものの、最初はウェブ会議のイメージが思い描けず、少し抵抗があったが、意外と簡単で便利だと分かった。
 これまで3時間ほどの会議のために、時間と費用をかけ東京に行っていたが、こうした手間が省けるメリットもある。今月はイギリスとつないで出演したウェブセミナーでは海外がとても近くに感じた。広い北海道ではこの新しい生活様式をうまく使いこなせば、仕事や生活が豊かになる可能性もあるのではないだろうか。
 パラリンピックには「失われたものを数えるな、残されたものを最大限に生かせ」という言葉がある。今は多くのものを失い、我慢を強いられていることも多いが、できないことばかりに目を向けるのではなく、今できることを考えることが重要だ。新しい発見があり、気持ちも前向きになるはずだ。

(2020年6月21日掲載)

 

※掲載情報は、取材当時のものです。閲覧時点で情報が異なる場合がありますので、予めご了承ください。


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