旭山動物園わくわく日記
全国的な人気を呼ぶ旭川市旭山動物園の話題やイベント、裏話などを紹介します。 旭山動物園ガイドとしてもお楽しみいただけます。 2020年3月までの記事はこちら
インスタライブ配信*全国のファンと新たな交流
休園中の旭川市旭山動物園が大型連休に写真、動画の投稿アプリ「インスタグラム」で行った初の生中継は、全国で1日4千人ものファンが視聴した。動物を間近で観察したような臨場感と、視聴者が書き込んだコメントに飼育員が返事を出す双方向性が多くの人の心を捉え、動物園とファンに新たな関係が生まれた。
初の配信となった5月2日午前11時、スマートフォンの画面いっぱいに生後4カ月のカバの赤ちゃんが映った。4月末の夏季開園で一般公開される予定だったが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で開園が6月1日に延期され、インターネットを通じてのお披露目となった。飼育担当の中田真一副園長が生まれた時の状況を語ると、視聴者はみるみるうちに増え、開始10分で千人を突破した。
生中継配信は6日まで毎日30分間行い、坂東元(げん)園長と飼育員が動物を紹介した。視聴者がインスタグラムの動物園公式アカウントにアクセスすると、職員がスマートフォンで撮影する内容をリアルタイムで見られる仕組みだ。
新型コロナの影響で休業する動物園や水族館が多い中、大阪市天王寺動物園など動物の姿を生中継で配信する施設が増えてきた。旭山動物園は当初、「実際に来て五感で楽しむのが動物園の醍醐味(だいごみ)」と活用に抵抗感があったというが、感染拡大が続き開園が見通せない中、新たな形で動物園の“今”を伝えることにした。
2日目の配信では、飼育員がワオキツネザルの展示施設のおりの中に入り、3月に生まれたばかりの赤ちゃん2匹が母乳に吸い付く様子や、トウモロコシを食べる姿を間近で撮影した。普段公開していないバックヤードも紹介。視聴者から「どのように寝ますか」「父親は子育てに参加しますか」と質問が相次いだ。
坂東園長は「こんなに多くの人に一度にメッセージを伝えられる機会はない」と手応えを感じた様子。大型連休中に配信された動画は動画投稿サイト「ユーチューブ」の旭山動物園公式チャンネルで見ることができる。同園は今後も生中継の配信を行うという。(若林彩)
【写真説明】坂東園長(左)が立ち会う中、初日の2日にはカバの動画が配信された(宮永春希撮影)
(2020年5月17日掲載)
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