北海道新聞 旭川支社 + ななかまど

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スポーツ


32*障害を意識しない時代に

バンクーバーパラリンピックのアイススレッジホッケー銀メダリストで北海道新聞パラスポーツアドバイザーを務める永瀬充さんが道北地域の障害者スポーツをテーマに語ります。
2020年3月までの記事はこちら

1995年の冬、「アクティブジャパン」という日本初の障害者スポーツ専門雑誌が創刊された。その特集をテレビで見て、さっそく購入し、病院のベッドの上で隅から隅まで読んだ。19歳だった私は初めてパラリンピックを知った。

3年後に長野パラリンピックを控え、日本のパラリンピックに対する見方が大きく変わっていく時期だった。ただ、長野でパラリンピックが開催された98年に、まだその存在を知らない人が多くいたのも事実だ。

アクティブジャパン創刊から四半世紀、社会は大きく変わった。小学校へ講演に行くと、子供がパラリンピックを詳しく知っていることに驚くことがある。札幌の大学1年生と話したとき、小学生の時にすでにボッチャを体験していたと聞き、驚いた。

約20年間、パラスポーツの普及活動をしている。以前はパラリンピックは五輪と同じ年に同じ場所で開催されるという初歩的な説明をしていた。人生の途中でパラリンピックを知った現在の大多数の人と違い、これからは子供が当たり前にパラリンピックを知っていて、パラスポーツも体験して社会に出てくるだろう。

障害を意識せずみんなが一緒に生活し仕事をするのが当たり前の時代になる―。東京パラリンピックの2020はそんな未来に向けてのスタートの年だ。

(2020/02/23掲載)

 

※掲載情報は、取材当時のものです。閲覧時点で情報が異なる場合がありますので、予めご了承ください。


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